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【無料公開】生活を豊かにする記憶ハック術

こんにちは!Ryotaroです!
今回で記憶シリーズはお終いです!

記憶シリーズ最終回の今回は日常生活における記憶をテーマに取り上げて、そこから導かれる記憶のハック術についてお話しします!

前半はAIによるファクト記事を、後半は僕の考えを書きます。

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それではどうぞ!


日常世界における記憶のしくみとは?——「覚えている」とはどういうことか


私たちは日々、多くのことを「覚えている」「思い出す」ことで生活しています。しかし、記憶は必ずしも正確とは限らず、時には曖昧になったり、変化したりすることもあります。

本記事では、日常的に使う記憶を3つの視点(自伝的記憶・目撃証言・展望的記憶)から、科学的な研究をもとに解説します。


1. 自伝的記憶——「私の人生の記憶」

自伝的記憶とは?

自伝的記憶(autobiographical memory)とは、自分自身が経験した出来事に関する記憶のことです。

たとえば、「子どもの頃に行った旅行」「大学の入学式」「昨日の夕食の内容」など、個人的なエピソードが含まれます。


科学的な研究と特徴

  • エピソード記憶との関係
    自伝的記憶は、エピソード記憶(episodic memory)の一部であり、具体的な状況(いつ・どこで・何が起こったか)と結びついています(Tulving, 2002)。

  • バイアスの影響
    記憶は完全に正確ではなく、時間とともに変化することが知られています。特に、ポジティブな記憶は強化され、ネガティブな記憶は忘れやすくなる傾向があります(Walker et al., 2003)。

  • 「記憶のフラッシュ」現象
    9.11のような衝撃的な出来事は「フラッシュバルブ記憶(flashbulb memory)」として強く残ることがありますが、詳細の正確性は低下することも研究で示されています(Talarico & Rubin, 2003)。


日常生活への応用

  • 日記をつけることで記憶を鮮明に保つ

  • 写真や動画を見るとエピソードを思い出しやすくなる

  • 自分の記憶が完全に正確ではないことを意識する


2. 目撃証言——「私は確かに見た?」

目撃証言の不確かさ

目撃証言(eyewitness testimony)は、犯罪捜査などで重要な役割を果たします。しかし、研究によると目撃証言は驚くほど不正確なことが多いのです。


科学的な研究と特徴

  • ミスインフォメーション効果(misinformation effect)
    「誤った情報に影響されやすい」という現象があります。たとえば、ロフタス(Loftus & Palmer, 1974)の実験では、「車がぶつかったときのスピードは?」と聞かれた場合と「車が激突したときのスピードは?」と聞かれた場合で、後者のほうが高い速度を報告しました。つまり、質問の仕方が記憶に影響を与えるのです。

  • 武器フォーカス効果(weapon focus effect)
    人は危険なもの(例:銃やナイフ)に注意を向けすぎるため、犯人の顔などの情報を覚えにくくなることが知られています(Steblay, 1992)。

  • ラインナップ誤認
    実際の警察の目撃者による犯人識別では、誤認率が非常に高いことが報告されています(Wells & Olson, 2003)。


日常生活への応用

  • ニュースやSNSで目撃証言を過信しすぎない

  • 人の記憶は状況や言葉の影響を受けやすいと理解する

  • 目撃証言の際は、できるだけ中立的な質問をする


3. 展望的記憶——「うっかりを防ぐには?」

展望的記憶とは?

展望的記憶(prospective memory)は、未来の予定やタスクを忘れずに実行する能力を指します。たとえば、

  • 「帰りに牛乳を買う」

  • 「薬を飲む時間を忘れない」

  • 「友達の誕生日にメッセージを送る」

といった行動がこれにあたります。

科学的な研究と特徴

  • イベントベース vs. 時間ベース
    展望的記憶には2種類あります(McDaniel & Einstein, 2000)。

  • イベントベース(event-based):ある出来事がきっかけ(例:「スーパーに行ったら牛乳を買う」)。

  • 時間ベース(time-based):特定の時間がきっかけ(例:「夜9時になったら薬を飲む」)。
    時間ベースのほうが忘れやすいことが知られています。

  • ストレスと認知負荷の影響
    忙しいときやストレスがあると、展望的記憶のパフォーマンスが低下することが分かっています(Smith, 2003)。

  • 外部記憶補助(external memory aid)
    リマインダーやチェックリストを活用すると記憶が向上することが実験で示されています(Gilbert, 2015)。


日常生活への応用

  • スマホのリマインダーを活用する

  • 視覚的なメモ(ポストイットなど)を使う

  • 「行動とセットにする」工夫をする(例:歯磨きの後に薬を飲む)


まとめ

記憶は「正確な記録」ではなく、状況や時間によって変化しやすいものです。

  • 自伝的記憶:過去の出来事に関する記憶。時間とともに変化する。

  • 目撃証言:目で見た記憶は思った以上に不正確で、影響を受けやすい。

  • 展望的記憶:未来の予定を覚える力。リマインダーを活用するとよい。

私たちの記憶には限界があるからこそ、科学的な知識を活かし、日常生活でうまく対処することが大切です。


はい。ということでここからは僕の考えを書きます。


記憶に頼らない戦略

上のAI記事にも書かれている通り、人の記憶というのは曖昧かつ消えやすいものです。

特に、過去の記憶ではなく未来のための記憶(展望記憶)というやつを使いこなすのが厄介で、ここの記憶をちゃんとコントロールできるかどうかで、タスク管理や業務遂行の質や速さが変わってくるものです。

ただ、こうした展望記憶を「忘れないようにする」というのは無理に近いと思います。おそらく多くの方が、経験上「先のことは忘れがち」と思っているからこそ、スケジュール帳やメモを活用してうっかり忘れを予防しているはずです。

とはいえ、急に差し込んできた用事(突発的な頼まれごと)とか、なかなかルーティン化できないこと(一ヶ月に一度だけしなければならないこと)などは、ついつい忘れてしまうかと思います。

僕も、妻に「仕事帰りにトイレットペーパー買ってきて」と頼まれたときにはほぼ100%買い忘れます。覚えてらんないんですね。

こうした頼まれごとって、頼まれた時には「一番新しい記憶」なので「忘れないだろう」と思ってしまったり、

未来の自分が「よし、帰るか」と思った時に「あ、そういえば仕事帰りにトイレットペーパー買うんだったな」と思い出してくれそうな期待感があるので、メモに書いたりとかあんまりしないんですよね。

まあ、「メモ書けよ」って話なんですが、これから仕事に行くぞって時になかなかメモをしようとかはあまり思わないんですよね。

じゃあどうするか、ですが、まずは

  • 忘れてしまっても気にしない

というのは大事です。

人にとって「忘れる」って当たり前のことなので、「忘れてしまったことを気にする」というのはあまりしない方がいいです。

その上で

  • 忘れてしまったことについて申し訳なさそうにする

というのは大事です。

人は忘れる生き物だから忘れてしまうのは当たり前でしょ。なんなら人が忘れる生き物なのにも関わらず、出先に用事を頼むあなたの方が悪い。

みたいな態度を取ると、人間関係が悪くなるので気をつけた方がいいです。

ここ、けっこう大事なところなのですが、トイレットペーパーなんて、急を要する場合は帰ってからすぐ近くのコンビニやスーパーに買いに行けばいいのですが、

「忘れたこと」に対して言い合いになって、人間関係が悪くなる、みたいなことは修復不能なんですよね。

人間関係って一度ヒビが入っても修復可能だと思われがちなのですが、そんなことはなく、そのヒビの上に新たな関係性を構築していくものなんですよね。

自分に対して失礼なことを言ってきた人がいた時、そういう、「失礼なことを言ってきた」ってことは書き換え不能なわけですよね。

この辺り、また改めて書くことになると思いますが、要するに「人間関係にヒビが入るような動きはしない方が得」ということです。

だからこそ、忘れちゃっても気にしないけど、申し訳なさそうにする、というのは大事なわけです。


とはいえ、うっかり忘れをなくしたい、とか何度も何度も忘れてしまうことは防ぎたい、というのはあるかと思います。

それこそ、何度言ってもトイレットペーパーを買ってこない、ということを続けてしまうと信頼関係や人間関係に悪い影響が出てきます。

うっかり忘れを防ぐために心がけたいことは、

  • 自分がその事を軽んじていることを認める

ということです。

頼まれ事を忘れてしまうのは、自分がその頼まれごとを重要視していないからなんだ、と認めることが大事です。

相手にとって重要だが、自分にとっては重要じゃないという認識があるから、頼まれごとを忘れてしまうのです。

トイレットペーパーについていえば、自分は「最後の一個になってから買えばいいのでは」と思っているが、相手は「未開封のトイレットペーパーのストックが切れたら買い足そう」と思っていたりしたら、「追加のトイレットペーパーを買うタイミング」がズレることになります。

この時やってはいけないのは、「トイレットペーパーを買うタイミングについて議論する」ということです。ここは互いの価値観に踏み込んだ議論なのでやるだけ不毛です。これはやってはいけません。

あとは、「そんなにトイレットペーパーをこのタイミングで買い足したいなら、自分が買えばいいじゃん」みたいなのもダメです。これは、相手に「こいつには任務遂行能力がないのだな」という認識を持たれてしまうので避けた方がいいです。

必要なのは、自分にとって重要じゃないタスクを遂行するために必要な手立てを考えることです。


その手立てのひとつとして有効なのは「リマインダーをストレッサーにする」ということです。

どの人にも、「先のことより今のことを優先する」という性質が少なからずあります。

誰も、今YouTubeを見る時間を割いてまで、リマインダーに書いた「トイレットペーパーを買う」というメモを見つめ続ける、ということはしないわけです。

今はYouTubeを見る、そして、改札を出たらスーパーに向かえばいい。と思っているから、改札を出たら自転車置き場に向かってしまって、そのまま家に直行してしまうわけです。

ではどうするか。そのためには、日常のルーティンを邪魔するようにリマインダーを配置する、というのがいいです。

僕の場合は、改札を出る時にスマホでピッとして改札を出るので、必ず改札を出る時にスマホを出します。

その、スマホの壁紙をメモのスクショにしてしまえば、嫌でも目にそのメモが入ってきます。

ここで大事なのが、普段はスマホの壁紙を「息子の写真」にしておくという工夫です。

普段なら、スマホを取り出して改札にピッとすると、壁紙にしている息子の写真が目に入るので嬉しい気持ちになるのですが、それがメモのスクショになっていると嫌なんですよね。

で、そのメモの壁紙は、タスクを達成したときにしか変更しちゃいけないという制約を自分に課します。

なので、「壁紙を息子の写真に戻したいからトイレットペーパーを買う」という動機が生まれるのでトイレットペーパーを買えます。

このように、リマインダーを自分にとってのストレスになるように配置しておくことで、うっかり忘れを防止することができます。

よければ参考にしてみてください!
では!

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