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自由律俳句 #114
【滑って転んでいる人を見かけて】
前から人が来る。
たぶん近所の大学生だろう。
若いお兄さんという感じだ。
そのお兄さん、私の数メートル先で、滑って転んでしまう。
お兄さんとの距離が微妙だった。
大丈夫ですか?と声をかけるほど、近くなく、
転んでいることに気付かないほど、遠くない。
お兄さんもきっと恥ずかしかったのだろう。
少し痛かったと思うが、何事もなかったかのように立つ。
私はスマホを取り出して、
お兄さんが転んだことにさえ気付いていませんよ、
スマホを見ていたから何も見ていませんよ、という雰囲気を醸し出す。
すれ違って、少しして振り返ってみたけど、
お兄さんはそのまま向こうに歩いていったから、
大きな怪我とかはしていなさそう。
とりあえず安心。
気をつけてねお兄さん。
気をつけてよ私。
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