浮き雲
映画「浮き雲」
1996年のフィンランドの映画です。
ある中年の夫婦の物語です。
夫は電車の運転手、妻はレストランで働いてるんですね。
ある時、不況のあおりを受けて、夫婦は職を解雇されるんです。
ふたりは職を探します。
企業は事業の縮小、人員整理。年齢もあり、簡単に仕事見つからない。
やっとの思いで、妻の仕事が見つかるんです。食堂の仕事なんですね。
夫婦に灯りがともった。
ところが食堂に税務所の役人がはいり、営業停止になるんです。しかも給料が支払われない。
夫は経営者に抗議にいくんです。
当然だよね。
ところが夫、そこで反対に暴力ふるわれ港に捨てられるんです。
傷だらけの身体で帰宅すると、家は差し押さえられていた。
夫婦の灯りが消えた。
なんでこうも不運が続くのかと思いますよ。見えだした光りが次から次へと消えていく。人生、希望や期待はしないほうがいいのかと思うよ。
そんなふたりに、レストランをやってみないかという話しがくるんですね。
ふたり賭けてみようと思う。
でも銀行はお金貸してくれないんです。そこで夫はカジノで一攫千金狙うの。結果はスッカラカン。欲がでちゃったんですね。
そんな時、妻を解雇したレストランのオーナー夫人に出会うんです。夫人は資金を提供すると言うんですね。
夫婦の灯りまだ消えてなかった。運があった。
ふたりは無事オープンできるのか。ふたりの灯りはともるのか。
監督のアキ・カウリスマキは、常に庶民の映画を撮り続ける監督です。
日本の監督、小津 安二郎を敬愛してるそうです。小津監督も庶民を描き続けた監督ですよね。
アキ・カウリスマキ、大好きな監督です。フィンランドにこんな監督がいるんですね。
名監督は自分の色をもってますよね。アキ・カウリスマキ監督もそうですね。赤と青、緑のコントラストが特徴です。何も知らずに見ても、この監督の作品だとわかりますよ。
この作品もそうですが、アキ・カウリスマキの作品には、哀しさのなかにもユーモアがある。ユーモアがないと生きていけないよ。
肩よせあいながら暮らすふたりの夫婦。
絶対にふたりの、夫婦の、家族の灯りは消してはならない。
リアリティを追求する映画も好きですが、映画にはどこか助けがほしい。明日がみえる映画のほうが僕は好きです。
アキ・カウリスマキ、大好きな監督です。
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