D・W・グリフィス
映画創世記に、映画の基礎を築いた監督です。
今でこそあたりまえの複数の映像をつなげる編集技術、カメラが被写体によっていくクローズアップ、これらの技術を映画にもちこんだのがグリフィスなんですね。「映画の父」と呼ばれてますね。
グリフィスが1916年に撮った映画「イントレランス」は映画史にそびえたつ傑作です。
4つのエピソードが同時進行で描かれているんですね。現代、過去をいききするんです。映画創世記のこの当時に、この斬新なストーリー展開を築き上げていることに驚嘆します。
紀元前に栄えたメソポタミア文明の古代都市を巨大なセットで蘇らせています。
目を見張りますよ。
天空にそびえたつバビロンの塔。グリフィスの執念に、イマジネーションにひれ伏します。
現代の時代、汽車を追いかける一台の車。古代の時代、大地を馬に乗り走る戦士の一群。これらを交互に見せていく迫力はすごいです。
また映画「東への道」は1920年に撮ったグリフィスの作品です。
ある女の子がいるの。
女の子は職を求めて親戚の住む東部へ行くんですね。そこで男に騙され、妊娠するんだけど、男に捨てられるんです。そして赤ん坊も死んじゃうんです。
やがて女の子は地主の家に仕え、そこで新しい恋に出会うんですね。地主の息子と恋におちるんです。だけど、男に自分の過去を言えないんですね。
女の子を演じるのが女優リリアン・ギッシュです。
グリフィスに大事に育てられた女優ですね。
リリアン・ギッシュが吹雪のなか氷のうえを渡り、気を失うシーンがあります。見ているこちらにも冷たさ、寒さが伝わってきます。
気を失っている女の子は、地主の息子に救出され、ふたりは結ばれて終わります。
大地にひっそりと健気に咲く一輪の花のような映画です。
「イントレランス」という大作から、「東への道」のようなラブストーリーまで手がけたグリフィス。
グリフィスのつくった道から数多くの映画が今もこれからもつくられていくんですね。
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