「投資」と「事業」における重要な考え方 ~“リソース”と“期待率”の違い~
近年は先行き不透明な日本社会に対する不安と、
企業の副業解禁やメディアの副業推進の動きもあり、
副業で行う「投資」や「事業(ビジネス)」への関心が
非常に高まっています。
「副業で行う」と書いた通り、サラリーマンの方が副業で
「投資」や「事業」を始めることが多くなりました。
しかし、ほとんどの方が安易に手を出した結果として
失敗に終わってしまうケースが多いのが事実です。
あるいは、
「何か副業をやりたいけれどもよくわからない」
ために足踏みしている人も多いでしょう。
そもそも、
「投資」と「事業」においての根本的な考え方を
理解していないとそう簡単には成功できません。
また、「投資」と「事業」においては
かけるべき(投下する)リソースの違いと、
「期待率」の考え方の違いを理解することが
とても重要になりますので、
その違いについて説明していきたいと思います。
◆投資とは
まず、投資と言えば、
株式、為替取引、投資信託、不動産、仮想通貨などなど
様々な投資があります。
そもそも投資とは、
「利益を得る目的で事業などに資金を出すこと。
比喩的に、将来の利益のために多額の金銭を投入すること。」
とあります。
つまりは、それぞれの商品、銘柄に対して将来のリターンを期待して
自己資本を投下して、対価を得る行為を言います。
自己資本、平たく言えば、現金です。
ですので、期待して投下した現金が
もし期待通りの結果が得られない場合には、
投下した現金が減ってしまう、
あるいは、
全く無くなってしまうことさえあります。
◆事業とは
一方、副業で行う事業(ビジネス)で考えてみると、
物販、せどり、アフィリエイト、セミナー業、在宅ワークなど
多々あります。
この中で、
物販、せどりは仕入れが必要なため
一定の資金が必要となりますが、
その他については
初期にほとんど資金をかけなくても
事業を開始することができます。
(場合によっては0円でも可能です。)
その代わりに投下するリソースとしては、
自分の時間や手間が必要となります。
時間や手間をかけた結果、
大きな対価を得られる場合もあれば、
ほとんど何も得られずに徒労に終わることもあります。
◆「投資」と「事業」の投下するリソースの違い
上記で書いた通り、
そもそも「投資」と「事業」では
投下するリソースが異なります。
「0 or 100」というわけではありませんが、
以下のようになります。
・投資:現金資産を投下する
・事業:自分の時間や手間を投下する
さらに平易に説明すると、
・投資:お金に働かせる
・事業:自分のリソースを割いて稼ぐ仕組みを作る
といった表現がわかりやすいと思います。
このため、
両者は似ているようで全く別物なのです。
もちろん、
どちらが「好き」「嫌い」などはあると思いますが、
今の皆さんの状況において、
リソースを考慮して適した副業としては
以下のようになります。
・一定の自己資金があるが、時間がない:投資
・自己資金が少ないが、時間がある:事業
以上より、
もし副業として何をやろうか迷っている方は、
上記を参考に決めてみてはいかがでしょうか?
さらに、もう一つの重要ながいねんである、
「期待率の違い」という点についても説明したいと思います。
◆「期待率」とは?
投下するリソースの違い以外に、
「投資」と「事業」で知っておくべき重要な違いがあります。
それは『期待率』の考え方の違いです。
まず前提として、投資は
「短期間のラッキーパンチ」
で取り組むものではなく、
「長期間の時間の中でトータルで勝つ」
というのが正しい考え方です。
この後の説明をわかりやすくするために
始めに宝くじの例をあげたいと思います。
まずはじめに問題です。
もしあなたが1億円持っていた場合に全額宝くじを買ったとしたら、
いくらになって返ってくるでしょうか?
・
・
・
答えは「4,570万円」です。
つまりは半分以下に減ってしまいます。
「そんなのわからないじゃないか!」
と言われるかもしれませんが、
これはそうなるようにできているのです。
なぜかと言うと、
宝くじには「還元率」というものが決まっており、
すべての購入金額を原資として賞金を出すわけですが、
原資が全て賞金として出されるわけではないのです。
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もっと言えば、
原紙の中の「45.7%」しか賞金として戻されません。
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これが還元率の考え方です。
なので、ある時期の宝くじを買った人すべてを平均すると
皆半分以下しか返ってこないことになるのです。
ちなみに、
そんな中でも宝くじに当選する幸運(?)な方もいるわけですが、
こういう人が続けて宝くじを買い続けたとしても、
結果的には当初の資金の半分以下になってしまいます。
では、投資の話に戻りますが、
投資においては「還元率」はありませんが、
「期待率」という考え方があります。
それが何かというと、
そもそも投資したものが100%増えるということは無く、
増える可能性もあれば、減る可能性もあります。
その、増えるか減るかの指標が「期待率」であり、
投資したものが増えも減りもせずに
そのまま返ってくると考えられるものは「期待率=100%」、
投資したものが
1.5倍になって返ってくると考えられるものは「期待率=150%」
半分の0.5%になって返ってくると考えられるものは「期待率=50%」
となります。
上記の宝くじの例では、
期待率が45.7%のものに投資するわけなので、
当然ほとんどの人は「負け」るわけです。
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投資する以上は
投下する自己資金が増えることを期待して行うため
「期待率=100%」以上のものに投資するべきです。
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さらに言えば、投資する際と、
投資対象の商品を将来売却する際に手数料がかかるので、
「期待率=100%+α」でないと投資すべきではありません。
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◆多くの方が期待率を持たずに投資している
しかし、(宝くじはともかく)
株式、為替、投資信託、不動産、仮想通貨、などなど
多くの方が「期待率」の考え方を持たずに
投資しているケースが非常に多いです。
そもそも、初心者の方は投資に対して
「期待率は=わからない」
という方が多いのではないでしょうか。
これは非常に危険で、
長い人生の中何回、何十回と投資していく場合に、
「期待率は=わからない」ものに投資していくほど
危険なことはありません。
投資の世界で勝つことは簡単ではありませんので、
一定レベルの知識を持つことは必須です。
そして、知識を高めていくにつれて期待率がより明確になっていき、
期待率の高い投資商品に投資することが出来るようになります。
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そして、期待率が100%以上になった時点で
本格的に投資をするようにしましょう。
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なお、知識を高める過程においては実践も必要となってくるので、
その場合は「無くなっても良い金額」分を投資することで
経験を積むようにしましょう。
まとめると、
「投資」対象は「期待率=100%以上」であることを
意識して取り組んでいただければと思います。
◆事業(ビジネス)の期待率の考え方
では、事業における期待率は
どう考えればよいでしょうか?
実は、事業においては透視とは少し考え方が異なります。
それは、上記に書いたリソースの違いも関連してきます。
まず、事業の期待率からですが、
ほとんどの事業は期待率100%以上というものはあり得ません。
もっと言えば、
期待率が10%程度という事業もざらにあります。
では、
「そういった事業には手を出してはいけないのか?」
というと、そういうわけではありません。
先に述べた通り、
事業においては小資本、または、初期費用0からでも
始めることが可能です。
そして、もし期待率10%の事業を始めて失敗したとしても
投下したリソースは自分の時間くらいですので
時間がある限りはリソースを投下し続けることが可能です。
一方、投資はお金が無くなってしまえば一旦終了。
そこが違いとなります。
ですので、
事業においては期待率が低いところからでも
とりあえず手を付けてみることが重要です。
そして、経験を積んでいくことで
その後の事業への期待率も向上していきます。
それを何回か繰り返し、改善ていくことで
期待率を100%以上まで高めていく。
そんな考え方が事業には必要です。
多くの経営者が語っていますが、
事業に対して
「将来は誰にもわからない」
であったり
「1勝9敗」
といった言葉があるように、
より多くのことに挑戦した中で一つ当たれば良い
くらいの確度となります。
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さらに、事業においては、投資以上に利回りが期待でき、
例えば初期費用1万円を元手に100万円稼ぐことも努力次第で可能です。
つまりは、投資以上にレバレッジがかかり
大きなリターンが得られる可能性があります。
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一つ一つの勝率は低いがリターンは大きい
それが事業の魅力でしょう。
◆まとめると
以上のように、
「投資」と「事業」においては、
そもそもの投下するリソースが違うことと、
「期待率」の考え方も全く異なります。
ぜひ、皆さんのリソースや知識レベルなどを考慮して
行うべき副業を選んでみてはいかがでしょうか。
その際に、本コラムが少しでもその助けになれば幸いです。