黒猫は不吉の前触れ?
4年前の寒空の下、私が愛猫のぶんちゃんと出会った時のお話です。
夜中にコンビニに行こうと家を出ると、何やら小さい黒い塊が道路の真ん中に落ちていて、スマートフォンのライトで照らしてみると蹲るように丸まった小さな黒猫がいました。
命を預かることは簡単なことではなくて私には猫を飼う余裕など無かったはずなのに、保護するまでに葛藤は生まれませんでした。
力なく道路に横たわり今にも轢かれそうな姿が居た堪れ無かったのか、私がただの猫好きだったからなのかはもう覚えていません。
急いで近くのコンビニで子猫の食料を調達し、何をすべきかGoogleで検索、次から次へと出てくる課題の多さに驚きました。それでも食事を終えどこか安心したような子猫をみると何もかもお安い御用に思えました。
しかし子猫の身体から小さい何かが飛んだ瞬間にそれが安易な考えだったとわかりました。
「ノミおるやぁぁん....」
すぐさまお風呂場でノミ取りを開始、とんでもない数のノミが出てくる出てくる...
「お前痒かっただろうな、俺もう足痒いもん」
きっとぶんちゃんも「痒い痒い」って言ってたに違いないです。
翌日病院に連れて行くとこの子は生後まだ生後1~2ヶ月程度らしく、診察では大きな怪我や病気もなく程なくしてまんまるむちむちな立派な猫に育ちました。
よく黒猫の迷信で黒猫は不吉の前触れだ!とか魔女の手先だ!とか言いますよね。
でもあれって実は元々黒猫は幸運の象徴で、それが目の前を横切る=幸運が去る
これがこの迷信の由来だそうです。
だから目の前の幸運を持ち帰り4年も一緒に暮らせてる私はとんでもない幸運の持ち主なのかも知れません。
そんな中、事態は一変して2022年9月中旬になり、ぶんちゃんの呼吸の異変が目立つので病院へ行きました。
病理検査の結果、悪性リンパ腫との診断。
治療なしでは余命3ヶ月程、抗がん剤治療をしても余命半年程度とのこと。
残された時間も何もかもが絶望的でした。余りにも突然すぎる余命宣告に混乱し、そんなことはつゆ知らずのぶんちゃんの顔を見ると涙が止まりませんでした。
口のきけないぶんちゃんが治療を望んでいるかを知る術は無いけれど、過ごした日々からきっともっと遊びたくて、もっと美味しいものをたべたくて、もっと愛されたいんだろうと感じています。
ぶんちゃんは私の幸運で、幸運がリンパ腫などに負けるはずないと願い、抗がん剤治療を受ける事を決めました。
余命を削る可能性もある闘病生活に、このnoteを通して悪性リンパ腫とぶんちゃんとしっかり向き合っていけたらと思います。
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