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#31 Field of view「突然」は「心に染みる」曲なのか?

24/11/23: 900 views達成!皆様ありがとうございます!
好評につき一部リニューアルしました。

「最近、心無い人が増えた」
「この頃の映画は心に残らない」

「心」に関する感想は色々ある。タイトルの通り突然ではあるが、今回はある年代の方々にとっては懐かしのバンド、Field of viewに関する記事である。この曲やField of viewは「千鳥の鬼連チャン」などでメディア露出があるにも関わらずサブスク配信がされておらず、YouTubeで聴く人が多いのではと思われる。コメント欄に目立つのは、このような感じの内容だ。

「色褪せない名曲」
「今このように心に染みる曲はない」
「懐かしい気持ちになる」

「Field of view 突然」YouTubeコメント欄


自分がこの「突然」を知ったのはTikTok。ボーカルの方の衣装がかっこよく惹かれる。そして、TikTokでもこういったコメントが占めていたように思う。では本当に、「突然」は「心に染みる」曲なのか。またそうだとすると、現代には「突然」のような「心に染みる」曲はないのか。



「突然」の特徴

  • 1秒目、ブレスから始まるサビで一気に掴まれるこの曲。右耳から聞こえるのはマンドリン?の優しい音色。スウィングするドラムには常に強いリバーブがかかる。クイッとテンポが上がる瞬間が心地よい。歌が始まる前はマーチング。

  • 歌が始まるとウェットな高音で歌うボーカルが曲を引っ張る。小室進行。Bメロは見事な王道進行と、メロディの下降音形が美しい。

  • 小室進行の変形のようなサビは、サビが始まった所からまた新たなストーリーが始まりそうなワクワク感がある。王道進行でシメる。

  • アウトロは「終わりなき旅の終止」からのマーチングで締める。


...凄まじい力のある曲だ。

「突然」は時代を超えて、相当なトップレベルの「作り込み」である。ある種、今このような曲がヒットチャートにないのも仕方ない、のかもしれない。


「突然」は本当に心に染みるのか?

「心に染みる」曲というのは曖昧な表現ではあるが、このように解釈すれば理解出来る。青春時代、独身時代、働きはじめた時代、なんでも良いのだが、その人が多感だった時代に流行した、時代を象徴したスタイル。そのスタイルを背負った曲。これは確かに人の心にストレートに刺さってきて、当時の心情をプレイバックさせるような効果があると思われる。

ある人にとってはシカゴであり、ある人にとってはクイーンなのかもしれない。現代人ど真ん中の心情とはちょっと違うのだろう、こういった曲は現代では流行っていない。


現代の「心に染みる」候補曲

こういう目線で考えるとどうだろう。「突然」を聞いていた人達がいま思うこの感傷を、現代の若者が30年後に感じるのはどんな曲だろう。「心に染みる候補曲」を考えてみよう。

例えばMy First Storyの「I'm a mess」はだいぶ「突然」に近い路線だ。まずはじめブレスで始まるし、堂々たる小室進行サビで、サビにストーリーがある。

この曲は直接的な恋愛の曲ではないため、「突然」ほどのエモさはないのかもしれない。



次に推したいのが、ちゃんみなの「Never grow up」だ。一聴すると雰囲気はだいぶ違うかもしれないが、まさにこれがY2K世代にとっての「突然」のリバイバルであろう。時代をまとったアレンジと小室進行のミックス。

コメント欄ではやはりこんなコメントが見つかる。

「この曲を聞くと学生の時に付き合っていたたぶん人生で1番好きだった彼の匂いや声、当時過ごした場所を思い出して、胸がギュッてなります」

YouTube

これぞ「心に染みる曲」の特徴である。


やはり「突然」とだいぶ時代が変わったなと思うのは、特にボーカルだろう。この記事のために色々と曲を聴いてみたが、「突然」のようなボーカルの曲はほとんど見つからない。現代はともかく「ウィスパーボイス」の時代であるようである。


ともかく、どんな世代の人にとっても「心に染みる曲」はいつか現れるといえるかもしれない。

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