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最高の体調 進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法 (ACTIVE HEALTH)【読書記録】

『最高の体調』を読んで、進化医学で自分史上最高のコンディションを実現しよう

「最近、なんとなく疲れが取れない」「集中力が続かない」「身体の不調が気になる」――そんな悩みを抱える人にこそ読んでほしいのが、鈴木祐さんによる『最高の体調』です。この本では、私たち現代人が抱える慢性的な不調の原因を「進化医学」という新しい視点で解明し、科学的根拠に基づいた解決策を提示しています。「進化医学」とは、人類の進化の過程を手がかりに、現代の環境やライフスタイルが私たちの体にどのような影響を与えているのかを探る学問です。このアプローチを用いることで、あなたも「過去最高のコンディション」を目指すことができます。

それでは、この本の主要な主張と、それを支える具体的な理論や実践法について詳しく見ていきましょう。


『現代人が抱える「慢性的不調」の原因』を詳しく解説

『最高の体調』では、現代人が感じる「慢性的な不調」の原因を、進化医学という視点から明快に説明しています。ここでは、なぜ私たちの体が不調を抱えやすくなったのか、そしてそれがどのように現代の環境や生活スタイルと結びついているのかを詳しく掘り下げていきます。


1. 進化の過程と現代の「ミスマッチ」

人類の体は「旧時代仕様」でできている

私たち人間の体は、何百万年もの進化の中で「狩猟採集生活」をするために適応してきました。その間、食べ物を手に入れるために歩き回り、危険から逃れるために走り、空腹を耐え忍び、自然の中で眠るという生活を送ってきました。

一方で、農耕が始まったのは1万年前、工業化が進んだのはわずか200年前、そしてデジタル社会に至ってはここ数十年の出来事です。この短期間で劇的に変化した環境に対し、人類の体は進化のスピードが追いついていないのです。

この「進化のスピード」と「現代の環境」のギャップこそが、慢性的不調の根本原因です。進化の視点から見ると、私たちは「原始時代を生きる体」で「現代社会」を生きていると言えます。


2. 現代の環境が体に与える悪影響

(1) 加工食品の増加と栄養の偏り

狩猟採集生活を送っていた頃、人類は自然の中で手に入る新鮮な食材――肉、魚、野菜、果物、ナッツなど――を食べていました。しかし、現代では、高度に加工された食品やファストフードが私たちの食卓を占めています。

加工食品には、糖分や塩分、人工的な添加物が多く含まれており、これらが体に炎症を引き起こす原因となります。また、ビタミンやミネラルといった必要な栄養素が不足しがちで、これが疲労感や集中力の低下を招きます。

具体例

  • 砂糖の過剰摂取:スナック菓子や清涼飲料水に含まれる大量の糖分は血糖値を急激に上昇させますが、その後に急降下することで倦怠感やイライラ感を引き起こします。

  • オメガ6脂肪酸の過剰:加工食品や揚げ物に多く含まれるオメガ6脂肪酸は、体内で炎症を促進します。一方、魚に含まれるオメガ3脂肪酸は炎症を抑える働きがありますが、現代人の食生活では不足しがちです。


(2) 座りっぱなしの生活と運動不足

私たちの祖先は、1日に何キロメートルも歩き回り、動くことが日常でした。しかし、現代では机の前に座り続けたり、スマホを見ながらソファで過ごす時間が非常に長くなっています。こうした「座りっぱなし」の生活は、体に以下のような悪影響を与えます。

具体的な影響

  • 血流が滞る:長時間座っていることで血流が悪化し、疲労感や集中力の低下を引き起こします。

  • 筋肉の衰え:特に足や体幹の筋肉が衰えることで、姿勢が悪くなり、腰痛や肩こりといった不調が現れます。

  • 代謝の低下:運動不足により脂肪が燃焼されにくくなり、体重増加や生活習慣病のリスクが高まります。


(3) ストレス過多と「現代型ストレス」の問題

原始時代のストレスは、目の前に現れた猛獣など「一時的な危機」に対応するためのものでした。しかし、現代のストレスは、仕事の締め切り、人間関係、経済的な不安など「終わりの見えない慢性的なストレス」が多いのが特徴です。

ストレスが長期間続くと、体の中でコルチゾール(ストレスホルモン)が過剰に分泌され、以下のような問題が起こります。

具体的な影響

  • 免疫力の低下:コルチゾールの過剰分泌は免疫機能を弱め、風邪をひきやすくなったり、体が炎症を起こしやすくなります。

  • 精神的な不安定さ:ストレスは脳にも影響を与え、鬱や不安感を引き起こす原因になります。

  • 内臓脂肪の蓄積:ストレスによるホルモンの乱れは、脂肪を溜め込みやすい体質を作り出します。


(4) 睡眠不足と体内時計の乱れ

原始時代、私たちは日没とともに眠り、日の出とともに目覚める生活を送っていました。この「自然のリズム」が、私たちの体内時計(サーカディアンリズム)を正常に保っていたのです。

しかし、現代では、スマホやパソコンなどのブルーライト、夜遅くまでの仕事、24時間営業の生活空間などが、私たちの体内時計を大きく乱しています。

具体例

  • ブルーライトの影響:夜にスマホやPCを見ることで、睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌が抑制され、眠りにくくなります。

  • 睡眠の質の低下:短い睡眠時間や断続的な睡眠は、体の修復機能を低下させ、疲れが取れない原因となります。


(5) 人間関係の希薄化と孤独感

原始時代、人は小さな集団で協力しながら生活していました。この「つながり」が精神的な安定をもたらしていました。しかし、現代社会では、人間関係が希薄化し、孤独を感じる人が増えています。孤独は、精神的な健康だけでなく、身体的な健康にも悪影響を与えることが科学的に証明されています。

孤独がもたらす影響

  • ストレスホルモンの増加:孤独感はストレスホルモンを増やし、慢性炎症を引き起こします。

  • 寿命の短縮:研究によると、孤独は喫煙や肥満と同等かそれ以上に健康を害し、寿命を縮めるリスクがあると言われています。


3. 現代人の不調を引き起こす「慢性炎症」とは?

本書では、これらの環境要因が引き起こす「慢性炎症」に特に注目しています。慢性炎症とは、体の中で起こり続ける低レベルの炎症のことです。本来、炎症はケガや感染症を治すために必要な反応ですが、これが慢性的に続くと逆に体を蝕む原因となります。

慢性炎症が引き起こす症状

  • 疲労感

  • 集中力の低下

  • 精神的な不安定さ

  • 肥満や生活習慣病

  • アレルギーや自己免疫疾患

これらの不調は、現代の環境が体に与える「ミスマッチ」の結果として起こるのです。

『不調を解消するための進化医学的アプローチ』を詳しく解説

『最高の体調』では、現代人が抱える慢性的な不調を解消するための具体的なアプローチが「進化医学」の視点から紹介されています。進化医学とは、人類の進化の過程を考慮し、私たちの体が本来適応している環境や生活スタイルとのミスマッチを見つけ出し、そのギャップを埋めることで健康を取り戻そうとするアプローチです。

ここでは、不調を解消するために本書で提案されている具体的な方法について詳しく掘り下げます。


アプローチ1: 慢性炎症を抑える

なぜ「炎症」が不調の原因なのか?

炎症は本来、感染やケガから体を守るための防御反応です。しかし、現代の生活では、食事やストレス、運動不足といった要因によって「慢性炎症」が起こりやすくなっています。この慢性炎症が長期化すると、疲労感、集中力の低下、生活習慣病、さらには精神的な不調(不安や鬱)を引き起こす原因になります。

炎症を引き起こす現代的な要因

  • 加工食品:糖分やトランス脂肪酸を多く含む食品が炎症を促進します。

  • ストレス:慢性的なストレスは体内で炎症性物質を増やします。

  • 睡眠不足:睡眠が不足すると炎症を抑えるホルモンが十分に分泌されません。


解決策:抗炎症的な生活を送るための具体的な方法

1. 抗炎症食を摂る

  • オメガ3脂肪酸の摂取:青魚(サバ、イワシ、サケなど)や亜麻仁油、クルミなどに含まれるオメガ3脂肪酸は、炎症を抑える効果があります。

  • 抗酸化物質の多い食品:野菜や果物(特にベリー類)には炎症を抑える抗酸化物質が豊富に含まれています。

  • 加工食品を減らす:スナック菓子や清涼飲料水、揚げ物などを控えることで、炎症を引き起こす物質を減らします。

2. ストレス管理

  • 瞑想やマインドフルネス:心を落ち着ける時間を持つことで、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を抑えられます。

  • 深呼吸やヨガ:自律神経を整えることで、体全体の炎症反応を軽減します。

3. 睡眠の質を向上させる

  • 就寝前のブルーライトを避ける:スマホやパソコンの使用を控える。

  • 就寝1時間前のリラックス:読書や温かいお風呂で体を休める。

  • 十分な睡眠時間を確保:7~8時間の睡眠を目指す。


アプローチ2: 腸内環境を整える

腸が「第二の脳」と呼ばれる理由

腸内環境は、私たちの体と心の健康に大きな影響を与えています。腸内細菌が作り出す物質(短鎖脂肪酸など)は、免疫機能や精神の安定、さらには集中力やエネルギー代謝にも関わっています。しかし、現代の食生活や生活習慣は腸内環境を悪化させる要因が多いのが現状です。

腸内環境を悪化させる要因

  • 食物繊維の不足

  • 加工食品や砂糖の過剰摂取

  • 抗生物質の乱用


解決策:腸内環境を整えるための具体的な方法

1. 発酵食品を取り入れる

  • ヨーグルト、味噌、納豆、キムチなどの発酵食品は、腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える効果があります。

2. 食物繊維を多く摂る

  • 野菜(特にブロッコリーやアスパラガス)、豆類、全粒穀物を食べることで、腸内細菌のエサとなる食物繊維を補給します。

3. 砂糖や加工食品を控える

  • 甘いお菓子やジュースは腸内の悪玉菌を増やす原因となるため、控えることが重要です。

4. 腸を休める

  • 16時間の断食などを取り入れる「時間制限付き食事法」を実践すると、腸を休ませることができ、腸内環境が整いやすくなります。


アプローチ3: 運動の質を上げる

現代人の運動不足がもたらす影響

現代社会では長時間座り続ける生活が一般的になり、運動不足が慢性化しています。これが体力の低下や代謝の悪化を引き起こし、慢性疲労や肥満、さらには心身のストレスにつながっています。

「動かない生活」が引き起こす問題

  • 筋肉の衰えによる姿勢の悪化

  • 血流の悪化による疲労感の増大

  • 脂肪が燃焼されにくくなり、体重増加につながる


解決策:進化医学に基づいた運動の取り入れ方

1. 高強度インターバルトレーニング(HIIT)

  • 短時間で行える高強度の運動は、代謝を効率的に上げ、脂肪燃焼を促進します。

  • 例:20秒間全力で走り、その後10秒間休む。このサイクルを数回繰り返す。

2. 日常生活に「小さな運動」を取り入れる

  • 長時間座りっぱなしにならないように、1時間ごとに立ち上がってストレッチをする。

  • 階段を使う、近距離なら歩くなど、日常生活の中で体を動かす習慣を作る。

3. 自然の中で体を動かす

  • 自然の中でのウォーキングやハイキングは、単なる運動以上の効果をもたらします。自然に触れることでストレスが軽減され、精神的なリフレッシュも期待できます。


アプローチ4: ストレスをコントロールする

現代型ストレスの問題

現代のストレスは、原始時代の「短期的な危機」ではなく、仕事や人間関係、経済的不安などの「慢性的なストレス」が中心です。この慢性的なストレスは、体に次のような影響を与えます。

慢性ストレスが引き起こす問題

  • コルチゾールの過剰分泌による免疫力の低下

  • 睡眠障害や疲労感

  • 精神的な不安定さ


解決策:ストレスを軽減する具体的な方法

1. 瞑想やマインドフルネスを実践する

  • 瞑想やマインドフルネスは、心を「今この瞬間」に集中させることで、ストレスを和らげる効果があります。

2. 自然との触れ合いを増やす

  • 森林浴や公園での散歩は、ストレスホルモンの分泌を抑え、リラックス効果をもたらします。

3. ポジティブな人間関係を育む

  • 家族や友人との楽しい時間を増やすことで、孤独感やストレスを軽減できます。

本書が教える「最高の体調」への道

以上のように、本書では「進化医学」という視点を通じて、現代の生活と体のミスマッチを解消し、心身ともに健康を取り戻す方法が具体的に解説されています。その鍵となるのは、以下の3つの原則です。

  1. 現代の環境を見直し、必要なところで「原始的な生活」に近づけること。

  2. 科学的根拠に基づいた具体的な実践を取り入れること。

  3. 完璧を目指すのではなく、自分に合ったペースで継続すること。

この三つの原則を守れば、あなたは必ず、あなた本来の体調を取り戻すことが出来るでしょう。

読み終えた感想

『最高の体調』は、単なる健康本ではありません。進化医学という視点を通じて、「なぜ現代人が不調を抱えるのか」を根本から理解し、そこから抜け出すための具体的なアプローチが示されています。読んでいるうちに、「自分の体調不良にはちゃんとした理由があったのだ」と納得し、希望を持てる内容です。

本書を読んで特に印象に残ったのは、「完璧さを求めない姿勢」です。鈴木祐さんは、読者に対して「すべてを一度に変えなくてもいい」「まずは小さな一歩から始めてみよう」と優しく語りかけています。これが、読後に行動を起こそうという意欲につながります。

この本は、現代の生活に疲れたすべての人におすすめです。「最高の体調」を実現するための道筋が明確に示されており、科学的根拠に基づいているため、とても信頼できます。身体の不調や疲れに悩んでいる方は、ぜひ一度読んでみてください。きっと多くの気づきと前向きな変化が得られるはずです!!

終わりに

ここまで読んでいただきありがとうございました 今後も、読書で得た学びを共有していきたいと思います! フォロー、コメント、スキなどなど、お気軽にどうぞ!


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