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夜間痛-上腕骨内圧の上昇-


夜間痛の原因

肩の夜間痛の原因は、「肩峰下圧の上昇」と「上腕骨内圧の上昇」の2つが関係していると考えられている。

今回は、「上腕骨内圧の上昇」についてまとめる。


夜間痛の報告

吉田らは、夜間痛に関連する因子について報告した。

吉田 徹 他:いわゆる変形性関節症の疼痛について. 整形外科26(8):745-752, 1975

骨内圧が上昇する仕組み

上腕骨内圧の上昇について理解するためには、「血管の構造」と「骨内の血流」について知る必要がある。

血管の構造

動脈と静脈の中膜の厚さについて比較する。

動脈の中膜は厚いので、外部からの圧迫を受けにくい。
一方、静脈の中膜は薄いので、外部からの圧迫を受けやすく静脈が閉塞してしまう。

骨内の血流

静脈が閉塞すると、動脈による流入量と静脈による流出量にアンバランスが生じる。

静脈を圧迫するものは?

後下方の棘下筋・小円筋が圧迫の原因であることが多い。
※矢印は、後上腕回旋静脈を示している。(画像は動脈🙏)

イラストAC SUKESUKE PHYSIO様から画像引用

まとめ

棘下筋小円筋といった後下方軟部組織の柔軟性が低下すると、後上腕回旋静脈が圧迫され、骨内の血流にアンバランスが生じてしまう。その結果、上腕骨の骨内圧が上昇し、夜間痛が発生することが考えられる。


参考資料

工藤 慎太郎 他:運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学 第2版 医学書院 2024

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