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肩回旋可動域の評価-各肢位の回旋時に伸張される軟部組織-


肩回旋可動域の制限因子を絞り込む

特に肩回旋可動域では、1st〜3rdの各肢位により筋作用が変化するため、伸張による軟部組織の制限因子を絞り込むのは難しい。
これから紹介するスクリーニングは、肩関節拘縮の評価を行う際に覚えておくと臨床に活用できるため、2STEPに分けて解説する。

イラストAC からだ・けんこうサポーター様より画像引用

※3rdは、2ndから90°水平屈曲した肢位とよぶため注意。


①4象限に当てはめる

各肢位の可動域制限が前後・上下のどこに当てはまるのか定める。

イラストAC SUKESUKE PHYSIO様より画像引用
工藤慎太郎:運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学 医学書院 2012,p33を参考に作成

②伸張される軟部組織を把握する

上記の4象限の枠には、筋や関節包靱帯も一緒に分かれている。(赤矢印)

赤羽根 良和:肩関節拘縮の評価と運動療法 改訂版 運動と医学の出版社,2023,p244を参考に作成

注意

例えば、右下の「前下方」が伸張される肢位は、「2nd外旋」「3rd外旋」である。その枠には肩甲下筋下部繊維(赤矢印)が描かれているため、これらの肢位には肩甲下筋下部繊維が制限因子としてあがる。
ただし、大円筋・小円筋・後下関節上腕靱帯は、3rdで一番強く伸張されるため、2ndには入らない。
よって、肩甲下筋下部繊維が制限因子となりやすいのは、「2nd外旋」である。

これだけ覚えよう👇

大円筋・小円筋・後下関節上腕靱帯は3rdで強く伸張される!


1st外旋の可動域制限が見られる患者さん、どこが制限因子だろう…
①4象限の「前上方」に当てはめる。
②「前上方」の中には、肩甲下筋上部繊維、棘上筋前部繊維、上関節上腕靱帯、前上方関節包が記されている。
※烏口上腕靱帯は4象限には記されていないが、位置的に「前上方」であることを念頭に入れる。


まとめ

肩関節拘縮のスクリーニング評価として、どこの軟部組織が制限因子となっているのかを絞り込むことが必要である。
絞り込むには、①4象限に当てはめ、②4象限を参考に、伸張される軟部組織を把握することが重要である。

おまけ

重要な部分を空白にしました。
暗記用に活用してみてください👇

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