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夜間痛-肩峰下圧の上昇-



夜間痛の原因

肩の夜間痛の原因は、「肩峰下圧の上昇」と「上腕骨内圧の上昇」の2つが関係していると考えられている。

今回は、「肩峰下圧の上昇」についてまとめる。


肩峰下圧が上昇する要因

肩峰下圧が上昇する要因として、以下が挙げられる。

林らは、夜間痛群と非夜間痛群の肩関節可動域を比較した。

林 典雄 他:夜間痛を合併する肩関節周囲炎の可動域制限の特徴とX線学的検討
-運動療法への展開. J Clin Phys Ther 7:1-5,2004

夜間痛群では、これらの腱板疎部を構成する肩上方支持組織が影響を受けやすいことが分かる。

そして、肩甲骨の下方回旋で代償することで、肩上方支持組織を弛緩している。

炎症期のポジショニングの大切さが伝わってくる。。。


腱板疎部とWeit-brecht孔

岩堀らは、拘縮肩の関節包内積が通常に比べて低下していることを報告している。

岩堀 裕介 他:肩関節拘縮と五十肩. MB Orthop 2011; 24: 11-21

関節包内積が低下し、関節包内の内圧を調整しているWeit-brecht孔の交通が遮断することで、関節包内の内圧が上昇する。

関節包内の内圧が上昇すると、腱板疎部への圧力が集中する。

腱板疎部には、多くの神経終末が存在し疼痛閾値が低い多ため、疼痛が誘発しやすい。


まとめ

拘縮による関節包内の容量の減少と、肩峰下圧を含めた関節内圧調整の破綻、就寝時の不良姿勢により腱板疎部が刺激を受け、夜間痛を生じているのではないかと考えられる。


参考資料

工藤 慎太郎 他:運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学 第2版 医学書院 2024

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