「好きを仕事に」の問い直し
自分が好きなことを仕事にして、1番良く感じることは、「もう嫌だ」って思う瞬間が多すぎること。「好きだ」と思う瞬間よりも嫌いになりそうな瞬間の方が圧倒的に多い。でも、たまに「好きを仕事にして良かった」と思う場面に遭遇することがある。
それはクライアントさんが喜んでくれたり、書いたものに嬉しいコメントを頂いたときだ。喜んでもらうために仕事をしているわけではないが、喜んでもらえるのはどう考えても嬉しいこと。誰かに喜んでもらえると成果物を完成させるまでの辛さが報われたような気がするし、喜びを味わうために仕事をしていると言っても過言ではない。
「好きを仕事にする」のは魅力的だけど、それが本当に自分にとって幸せなことなのかを考える必要はある。
好きを仕事にするに憧れ、潰れていく人もいる。僕もいつか潰れてしまうのかもしれない。現に文章を嫌いになったことがなんどもあるし、嫌いをこれからなんども味わうことも理解している。今週は自分のやりたいことについてずっと悩んでいたし、今もまだ適切な答えは出ていない。
どう考えても趣味の創作の方が楽だし、生活がかかってない分、気持ちも楽に感じる。ところが好きを仕事にした瞬間、責任が重くのしかかる。クライアントさんの意向をくみ取らなければならないし、自分の失敗は全部自分に返ってきてしまう。そして、辛い思いをしてまで文章を書いたとしても、誰からも反応をもらえないこともある。
正直、「好きを仕事に」を強要する行為が好きじゃない。好きを仕事にしている人たちのマウンティングだと思っているし、人によって幸せの尺度は相対的に違う。好きを仕事にするのは辛いことの連続だし、お金をもらう責任感から逃れたくなるときの方が多い。
好きなことを仕事にして、幸福度が下がるぐらいなら好きを仕事にしない方がいいし、趣味だから好きって場合もある。
好きを仕事にするためには、嫌いな瞬間を乗り越えなきゃならない。
「本当に好きを仕事にしたいのか?」
その問いを自分にし続けることで、自分の好きと向き合っていけばいい。
今日も今日とて、文章が嫌いになりそうになりながら原稿と向き合っている。自分の好きときちんと向き合い、良いと思ってもらえるものができますように。
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