恋人ができたんだ
時間は全てを洗い流してくれるけど、それを良いことに人はなんども傷つけ合う。
傷つけて、傷つけられを繰り返し、僕らはまたなんども愛求める。
僕らは同じ過ちを繰り返すけど、時間が経てば忘れてしまう儚い生き物。
愛求め彷徨う。
時間がなければもっと愛した人を大切にできたのであれば、別れることなんてなかったのかも。
僕らがなんども傷つけ合うのは時間のせいかもね。
同じようなことの繰り返し。時間が全て解決してくれるから、性懲りもなく僕らは傷つけ合う。
好きな人と付き合っては別れるの繰り返し。
一度愛した人を嫌いになる。
でも時間が経てば、そんな感情さえもなかったことになるんだよ。
時間というものは、ほんとうに厄介なものだね。
僕らは間違いを犯したから終わったんではなく、お互いの間違いを許せなくなったから終わってしまったにすぎない。
関係性が終わってしまえば、2人と呼ばれていた僕らが1人になり、時間が経てば一緒にいたことや好きだったところ、好きだった仕草さえも忘れてしまう。
僕の器量がもっと大きければ、終わらなかった愛もあったのかもしれない。
でもまあ終わってしまったことは事実だから、「ありがとう」と「ごめんな」を添えて、前に進むしかない。
あのさ、そういえば僕にも恋人ができたんだ。
君の横で今笑っている人は僕よりもうまくやれてるかい?
君と一緒に行った場所。君と一緒に聞いた音楽を思い出しては、また違う誰かに君の名前を呼んでしまいそうになる。
今僕が恋人に見せている優しさは誰かを傷つけてきた上で、手に入れた優しさなんだ。
誰かを傷つけて、学んだ結果が僕が今恋人に見せている優しさなんだろう。
今の恋人は君とは顔も年齢も使っているシャンプーも違う。
髪を搔きわける癖も肌の色も化粧の仕方だって違う。
僕らはほんとうに身勝手な生き物。
2人は嫌いになることも好きでいることも自由にできる。
嫌いになってしまえば、「さよなら」の一言で、2人の関係性を全て終わらせることができるのだ。
時間が経てばなかったことにすらできてしまう。
2人が1人にならないように努力はするんだけど、もし1人になった場合は、また時間が解決してくれる。人生なんてそんなもんだ。
そして君の微かな熱を時折思い出しては、また違う愛を求める。
傷ついて、傷つけられての繰り返しの人生。
僕らは性懲りもなく、愛を求め彷徨う儚い生き物。
新しい彼と君は今なに想う。
僕のことを少しでも思い出してくれてたら嬉しいけど、思い出さないのであればそれはそれでいいし、むしろその方がいいよ。
元気でやってるかい?
僕は元気でやってるよ。