妄想満月
光のさじ加減で、月は今夜も満ち欠けを繰り返している。
いつから月が満ち欠けを繰り返していたのか。真偽のほどは統計やデータである程度わかるのかもしれないけど、それが本当かどうかなんて誰も知りやしない。
ねえきみは満点の星空と満月という最高の組み合わせを見たことがある?
満点の星空と満月という組み合わせは胸が高まるし、最高に幸せな気分になれるので、ぜひ目にしてほしい。
光の当たり具合が絶頂に達したとき、満月になって暗くなった世界を照らすことに成功する。また光の当たり具合が最低点に達したとき、皆既月食を起こし、世界が暗くなり、月が赤くなるんだよ。
月の満ち欠けは、今宵も起きていて、美しさも光加減も変わり続けている。
きっと僕たちが死ぬまでは満ち欠けを繰り返すことになるのだろう。
かの夏目漱石は「愛している」という言葉を、「月が綺麗ですね」と訳した。
この言葉を超える愛の告白を僕は未だかつて聞いたことがない。
まあクサすぎて面と向かって、そんな言葉を口にすることはできないし、言えたとしても、笑われて終わるのがオチ。
とってもロマンチックで、そんな言葉を現実で言っている人がいれば、それそれはロマンチックな人なんだろうね。
「月が綺麗ですね」の正しい返し方は、「死んでもいいわ」らしい。
二葉亭四迷が、ロシア文学のツルーゲネフ著「片恋」に出てくる「Bama」という言葉を「死んでもいいわ」と日本語訳した。
「月が綺麗ですね」と言って、返ってくる言葉が「死んでもいいわ」ってたまらなく良い。「愛しています」という言葉をもらえるなら「死んでもいいわ」ということだからね。これぞ究極の愛だよ。
このやりとりの素敵さを、うまく自分の言葉で言語化することはできない。素敵という言葉で片付けて表現するだけの語彙力がしかないことは本当に悔しいことだよ。
今夜もどこかでロマンチックなやりとりをしている人がいるのかな。
ぜひとも浪漫が溢れる2人だけの特別な時間を過ごしていてほしい。
ロマンチックな言葉が言えない僕は、月を見上げているときに、同じようにきみも同じ月を見てくれていたら嬉しいなんてことを考えている。もし見上げていなかったとしたら少し寂しいね。だからどうか同じ月を見上げる君でいてほしいんだよ。
ただの妄想なんだけど、妄想を頭の中でせいいっぱい膨らませ、頭の中から出ていかないように必死に制御する。制御不能にいつかなってしまうのかな。まあなんでもいいか。
妄想は僕の特技だし、言葉にしなければ誰にも迷惑がかからない最高の遊び。心ゆくまで妄想し続けるのはこっちの勝手だろ。
まあ最後にこれだけは言わせてくださいよ。
月が綺麗ですね。
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