冬の空を見上げながら
朝目が覚める。寒さがまだ少し残っているためなかなかベッドから抜け出せない。昨日の雨空が嘘みたいに空は快晴だった。朝の日差しを浴びながら、うーんと背伸びをする。少しだけ痛い背中もましになったみたいだ。
なんとも心地よい朝。雨が降った後の空はやけに清々しいし、人が涙を流し、吹っ切れたあの様と良く似ている。どこかで涙の数だけ強くなれるという話を聞いた。それなら空はどれだけの強さを兼ね備えているんだろうね。
冬と言えばやっぱり雪。雪が積もったら子どもみたいに雪合戦や雪だるまを作って遊びたいところ。でもそんな希望とは裏腹に大阪では雪が積もるどころか雪が降らない。
雪のない冬は少しものさみしいけど、降らないものは仕方ないから諦める以外の選択肢がない。でもさ、今思い返せば、高校入試や卒業式、成人式はなぜか雪が降っていた。そこになんの意味があったのかはわからないけど、92年生まれのぼくたちは行事の際になんども雪が降っていたというのは事実だ。
今年で27回目の冬。そう思うと大人になったものだ。おかげさまでできることの幅が増えまして、今日も今日とて文章を書いたり、クライアントさんとやりとりをしている。
連日増える原稿の数。でも27年も生きていて、少しは大人になったから、これぐらいは難なくやっつけてしまう。子どもみたいにはしゃぎながらやっつける時もあるし、「あーでもない。こーでもない。」と悩みながらやっつける時もある。
歳を取るに連れて、やりたいことが増えてきた。いろんな経験と知識が増えるからやりたいことが増えるのは当然のこと。でもそれと同時にできないことも増えてきた。
叶えた回数よりも諦めた回数の方がきっと多い。何かを始めると自分1人ではやっつけることができない強敵がすぐに現れる。逃げるが勝ちってなってすぐに逃げちゃう時もあって、逃げきれない時もたまにある。
逃げきれないとものの見事に敵にやられちゃう。敵にやられちゃうとすぐには動けない。
自分なりに試行錯誤を重ね、工夫を凝らして、相手にダメージを与えてみたり、なんども挑戦することでぼくたちは強敵を倒すことができる。それでも強敵に勝てない時もあるから本当に厄介。
ダンジョンのラスボス的なやつに遭遇するとなかなか1人では倒せない。ラスボスは1人で戦うんじゃなくて、仲間を見つけて徒党を組んで対抗する。
それでも負けちゃう時は、チームワークに問題があったのか。それともレベルが足りないのかを判断して、対抗策を練り直す。
人生ってやつはとにかくうまくいかないことが多い。バカみたいに悩んでしまう時もあるし、徒党を組んで敵を倒すこともある。そうやって経験値は少しずつ蓄えられていく。
強敵に遭遇するたびに、「ああ、生きてるんだよな」って実感する。できることばかりこなしていてもつまらないよね。できないことに立ち向かって、できるようになるから人生は面白い。
等身大ではなく、少し背伸びした自分をいつまでも追っかけていたい。それと同時に子ども心をいつまでも忘れないようにと冬の空に願う。