東京という名の楽園と墓場
東京にいると切なくて、儚い気持ちになってしまうときがある。なぜ、この気持ちが湧き出てきたのかはわからない。正解を導き出す気もないし、導き出せないだろうなという諦めもあるから、深くは追求しないようにしている。
東京は、やけに高いビルが立ち並ぶ。威風堂々と立ち並ぶ高いビルに囲まれた途端に、「お前じゃ東京は攻略できない」と言われているそんな気分になった。目まぐるしく過ぎ去る人々。どこを見ても人がごった返し、気が休まるタイミングがない。東京という社会の窓の中から見える景色には、綺麗な景色もあれば、汚い景色もある。電車は常に満員で、居場所すら簡単に用意されないのが東京の悪いところ。
東京の椅子取りゲームに巻き込まれる人たち。大体の人が椅子を勝ち取れず、涙を呑むのがオチ。希望と絶望がやけにくっきりと見える東京。「白黒はっきりつけましょうか」と言わんばかりに、オセロの黒が盤面にずらりと並ぶ。
UVERworldのTAKUYA♾は、オセロの遊び方を序盤はわざと相手に勝たせて、負けを盛り返すのが基本的な勝ち方と言った。でも、どんでん返しをしようともがいても、大半の人たちは負けを盛り返すヒーローのような人にはなれない。
そして、何者かになるはずが何者にもなれず、途方に暮れる人たち。なぜ、人は何者かになることを求めるんだろうか。それはきっと、何者かになることを社会から求められていると感じてしまっているのであろう。
そんな絶望があることを知りながらも、何者かになりたくて、上京する若者たち。目をキラキラと輝かせ、希望を抱きながら過ごす毎日。いつしか目の輝きを失い、環境に順応することに、躍起になってしまう人たち。
挑戦は平等にできるけど、成功と失敗の差があまりにも激しすぎるような気もする東京。でもなぜこの街に皆が熱狂するのかが、東京に来て少しだけわかったような気もする。
希望と絶望を、同時に用意する東京。どうやら東京はチャンスの宝庫のようだ。その点だけは東京の優しさでもあり、残酷さなのかもしれない。でも、目の前のチャンスを掴み取れるかは、自分のセンス次第。その裏で、甘い蜜を吸おうとしている人たちがいるのも事実。騙されないよう、裏切られないよう気をつけながら自分のできることを着々と積み上げなければならない。
「ああ、東京で生きていくのって大変なんだな」と、そんなことを思いながら過ごす夜でした。
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