またいつか会えたなら

またいつか君と会えたなら次はどんな話をしようか？

ええとそうだな。積もる話はたくさんありまして、あんなこともこんなこともあったんだよ。

うーんと、君と離れてからどれぐらい時間がたったんだっけ？

あの頃の僕と今の僕は少しだけレベルが違うんだ。まあ詳しくはまた会った時にでも話そうか。

君は今どんな街にいて、どんな過ごし方をしている？

もしかしてもう別の彼氏とかできちゃったりしてない？もし君の隣に別の男がいたら、それは悲しいことなんだけど、当時の僕に君を止める権利なんてなかったからもうどうしようもないよね。

えっとさ、話がつまらなかったら髪を触る癖はもう直ったかい？

仕事はあの頃のままかい？仕事の悩みはもう解決したの？

ええとそうだなぁ、僕はあいも変わらず前と同じ仕事をしているよ。

安月給だけどさ、ボーナスもあるから、少しだけ貯金もできていて、年に1回ぐらいは旅行に行けるレベルには成長したんだ。

まあ貯金の仕方は君から教えてもらったあの方法を今だに活用しているよ。おかげで少しだけ貯金ができています。ありがとね。

君との思い出ばかりが僕を締め付けるから、もう嫌がらせはやめてくれないかな？

君はさ、いつも部屋やトイレの電気のスイッチを切り忘れることに怒っていたよね。

あれね、君と別れてからは随分と消し忘れが減ったんだよ。少しは成長できているのかな？ああ、うん、でも君はもう僕の目の前から去ったから、聞くに聞けないや。

僕の優しさは全部君のために使いたかったんだけど、行き場のない優しさは一体どこに向ければいいですか？

君はもう僕の元に帰ってこないんでしょうか？

なんて答えをもらう権利も与えられていないから、次の人を探しなよって合図なんでしょうけど、長い前髪のせいで、まだ前を向けていません。

いつになったら前を向けるんでしょうか？楽しかった思い出も悲しかった思い出もいっそのことなかったことにできればいいのに、、、

君といるときはさ、一緒に遠いところに行くことができなかったよね。ご飯も豪華なところに連れて行ってやれなかったし、君に何もしてやれなかったことをほんの少しだけ後悔しているんだ。

君にできなかったことを、できれば君にしてやりたいところなんだけど、もうそんなことを考えたところで、なんの意味もないから君との思い出を連れて、僕は進むよ。

またいつか会えたならどんな話をしようか？

返答のない質問を今日もまた繰り返す毎日なのです。