冬のある日
雪が降ったある日、仲のいい友人数人と話しているとある女性がこう言った。
「私は冬が好き」
僕も冬が好きだ。僕たちは案外気が合うのかもしれない。
冬の魅力は、一言では言い表すことができないんだけど、2人が冬が好きってことは紛れもない事実だ。
冬になると雪が降る。
雪が積もった時には、雪だるまを作ったり、雪合戦をして、まるで子供みたいに全力ではしゃぐ自信が僕にはある。
みんなで雪遊びをしながら缶コーヒーを片手に、「寒いね」って笑う君の横顔を見て、僕は微笑ましい気持ちになる。
君が寒くて震えている姿を見て、僕は今すぐにでも抱き寄せたいそんな気持ちになってしまう。
本音言うと、缶コーヒーで君を暖めるのではなく、僕の体温で君を暖めたいんだよ。
友人の話によれば、君も僕に好意を持っているみたいだね。
でも一線を超えてしまえば、もう元には戻れない。
友達のままがいいのか。それとも恋人になった方がいいのか。
もし恋人になれば今よりももっと素敵な君を知ることができることは間違いない。
僕だけの君になればいいのにと思う反面、友達のままでいいのかもしれないという想いが脳内を駆け巡る。
答えは2人で作るもんだけど、その一歩をなかなか踏み出せないんだ。
まあうまくいくという設定は僕の単なる思い込みだけで、ほんとは君に断られるのが怖いだけなんだけどね。
雪遊びをまるで子供みたいに全力で楽しむそんな君が好きだ。
君は一体どんなことを考えているんだろう?
頭の片隅にでも、僕のことが浮かんでいるのであれば、それはもう最高に嬉しいし、そうであってほしいと心の底から願っている。
ああ今すぐ君の手を引いて、このままどこかに消え去りたい。
そんな勇気は僕にはない。
彼女が僕に好意を持っているとわかっても、なかなか踏ん切りを付けることができないのがこの僕。
僕の想いが君に伝わる日はいつかやってくるんだろうか。
想いは口にしなくちゃ伝わらない。
頭ではわかっているんだけど、なかなか心がわかっちゃくれないんだよ。
なんだか難しいですね。もっと簡単にならないかなって思っている今日この頃。
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