逃避行
2020年はどうやらあと少しで終わるようだ。てか、さっさと終わってしまえ。もしもタイムマシンがあったら、今すぐにでも2020年から抜け出す。今はそんな気持ちだ。
そんなじぶんはいま絶不調である。目に注射をしてからずっと体調がよくない。それでも生きるために仕事をする必要があるから、重い体を引きずりながら、今日も今日とてPCと向き合い続けている。こんな状態がいますぐにでも終わってほしいから、タイムマシンが欲しい。
年を越すまでのイベントは、クリスマスと忘年会があるね。今年はクリスマスとは無縁だから、街の盛り上がりにさほど興味はない。とはいえ綺麗なものを見るのは嫌いじゃないから、街のイルミネーションの写真を撮ったりはする。興味はないけど、好きなものを楽しめる分は楽しんでやろうと思うの。
恋人がいないクリスマスなんて9年ぶりで、どう過ごせばいいのかいまだによくわかっていない。そういえば、ぼっちのクリスマスは社会人になってからは初めてのことだ。好きな人を喜ばせる時間がクリスマスで、どうやって喜ばせたらいいかを考えるあの時間がたまらなく好きだった。とはいえ今年は縁もゆかりもないどころか、好きな人さえもいないから、少々がっかりしているじぶんがいる。
クリスマスが楽しいことを考える時間ならば、嫌なことを水に流す時間が忘年会だ。忘年会は年末に酒を片手にくだらない話をしたり、仕事の愚痴や悲しかったことを垂れ流す会である。そして、1年の悪い出来事を水に流して来年の成功を祈る会でもある。
クリスマスはどうでもいいから、忘年会に全力を注ぎたい。なんだか負け惜しみみたいだ。でも、恋人がいないことは確かだからそう捉えてもらっても構わない。
2020年は、とにかくいろんなことが起きた。コロナによる働き方の変化。人との関わり方の変化など、じぶんたちではどうにもならないことばかりが起きて、いまだに人類はその波から抜け出すことができていない。
個人的なことに関しては、恋人とのお別れ。持病の悪化。担当医からの失明するかもしれない宣言など、良かったことよりも、悪いことの方がインパクトがでかい。嫌なことは乗り越えれば、笑い話になるが、起きている間は辛いものでしかない。でも、辛いときに頼ることができる人間がいるのは幸福なことだ。
嫌なことに対して、ネガティブにならない人間がいるのならどうかいますぐにでも紹介してほしい。すぐさま嫌なことに対しての攻略法を聞きに行くし、その方法を今日にでも実践してみせる。そうなればじぶんはポジティブだけを備えた人間になれる。でも、ネガティブは悪いことではなく、ネガティブでい続けることが悪なんだと思う。実際に、ネガティブではない人間はいない。ネガティブをちゃんと深くまで味わって、やがてポジティブへと変換できる人間は強いと、いろんな人を見ていてそう思う。
ネガティブは不安を抱えている証拠。不安をちゃんと不安だと認められないただのポジティブな人は、逃避行を繰り返しているだけで、なんの成長もしない。そして、ポジティブなだけの人はポジティブを伝染させようと群れを作る傾向が強い。1人だと不安なのかはわからないけど、逃避行を続けるだけでは深みのある人間にはなれない。気づいているけど、じぶんと向き合うのは楽なことではないから、逃げたくなる気持ちもよくわかる。
「起こることすべてに意味がある」と思っている人が大半だけど、起こることすべてには意味はない。意味のないできごとに勝手に意味づけをして、救われようとしている人がいるだけ。でも、救われないときがあっても良いと思っていて、自分を否定する時間をあえて設けるのは必要だなと思っている。そして、起きたできごとになにも手を施さなかったら、すべてが無意味なものと化す。ただそれだけの話である。
2020年は良いこともあったけど、悪いこともあって、悪いことの割合が少しだけ多い年だった。だからさっさと忘れて2021年を迎えたいなと思っている。最後は笑って、2020年を終えたい。だから、嫌なことは2020年のうちに、ぜんぶ水に流してしまおうぜ。