「結婚を前提にお付き合いしたい」は重いですか？

「もっと遊べばいいじゃん」

友人や先輩、様々な人からこの言葉をもらうことが増えた。恋人がいないから適当に遊ぶのもいいかもしれないし、遊びが間違っているとは思わない。

でもさ、女遊びで得るものは、虚しさと経験人数だけでしょ。経験人数の多さを競う大学生みたいな時期はとっくに過ぎたし、遊びのSEXに残るのは虚しさだけだ。虚しさがゴールだとわかっているのに、なぜ人は自ら虚しさを求めるのだろうか。遊び続ける人が理解できないし、理解するつもりもない。「そこに愛はあんのか」と、聞いて回りたくなってしまう。

そして、なによりも遊ぶのがめんどくさい。女遊びには、お金がかかる。虚しさが、ゴールの関係にお金をかけたくない。女遊びにお金をかけるぐらいなら、友達との食事にお金をかけたいし、旅行や趣味にお金をかけたい。

じぶんの時間を遊び相手に使うのはもったいないし、そんな暇があるなら読書でもしていた方がましだし、じぶん磨きに時間をかけたい。そっちの方が生産的だし、将来の恋人に、自慢してもらえる確率も上がる。じぶんを磨いて、好きな人が喜んでくれるなんて幸せでしかないでしょ。

「異性と遊んでいない男性は、結婚という枠にはまった瞬間に、別の異性に走りがちなのよ。1人の人では渇きを潤せないから、キャバクラやスナック、風俗に潤いを求めてしまうの。男性は弱くて承認欲求の強い生き物だからね。だから、遊べるうちに遊んで1人の人を愛せるようになりなさい」

言いたいことも、言っていることも理解できる。でも、渇きを別の異性で潤したとしても、そこには際限がない。人間の欲望は、求めれば求めるほど潤いから遠のいてしまう。だったら1人の人に時間をかけて、一緒に幸せになった方が、満たされるはずだ。

とはいえ、恋愛のハードルが徐々に上がっているから、好きな人ができない。親には「いつ結婚するんだ」と言われるし、祖母にも「孫が見たい」と言われる。家族や周りのプレッシャーはあまり感じていないけど、家族を作りたい気持ちが強いことは確かだ。

28歳になってまた周りに結婚している人も増えた。結婚式にも参列したし、Facebookを開けば、結婚報告をしている。Instagramでは、子どもを撮影したストーリーばかりだ。彼らの投稿を見るたびに、うらやましく思ってしまうし、早くそっちの世界に行きたいと願ってしまう。

もしかしすると、結婚願望が強いから好きな人ができないのかもしれない。良いなと思う人が出てきても、大概が既婚者だ。素敵だと思う女性は、すぐに誰かにもらわれてしまう。素敵な女性に、ライバルが多いのは当たり前の話だ。だからといって、未婚の女性が魅力的じゃないわけではない。ぼくが魅力的な女性とまだ出会っていないだけだ。とはいえ、魅力的な女性がぼくに振り向いてくれる保証なんてないよね。わかる。

「結婚前提でお付き合いしたいから、なかなか好きな人ができないんだよね」と友達に相談したら、「重いね」と笑われてしまった。恋愛に対するスタンスのちがいなんだと思う。「結婚は墓場だよ」とも言われた。結婚は墓場じゃなくて、2人が幸せな人生を歩むためのはじまりにすぎない。なんてことを言ったとしても、反論されるにちがいないから反論することなくその場を凌いだ。

でも、お付き合いした人に結婚を望むことのなにがいけないのだろうか。結婚を前提には重いのだろうか。いや、完全に重い。お付き合いしたときに、すぐに結婚なんて考えないもん。そんなことはわかっている。一緒にいれば、良い部分も悪い部分も見えてくる。お互いの価値観が一緒の場合は、結婚すればいいし、違う場合はお別れを選択すればいい。

当たり前の話なんだけど、どうしても結婚の2文字が脳裏をちらついてくる。ああ、恋愛は難しい。さらっとお試し程度にお付き合いをできれば、この気持ちは晴れるのだろうか。とはいえ好きな人ができないんだから、お試しでのお付き合いすらできないのが現状だ。

子供の頃にできなかった家族行事を、恋人に求めることが間違っているのだろうか。家に帰ったときに、「おかえり」と恋人に言ってもらいたい気持ちは悪なのだろうか。そして、1人の女性と一緒に幸せになりたいと思うのは重い話なんだろうか。

もうぼくには、恋愛がわからない。もしいま20代前半で、恋人がいない状態だったら確実に遊んでいたと思う。結婚を前提になんて、絶対考えない。「どうせ別れるっしょ」ぐらいの軽いスタンスで、女性と向き合っていたはずだ。じぶんの渇きを異性で満たして、また別の異性に潤いを求める。その繰り返しに飽きたときに、1人の女性と向き合うと決めるはずだ。

好きな人を作りたい。でも、遊びの恋愛は無理だ。年齢を重なれば重ねるほど、結婚という2文字が脳裏にちらつく回数が増える。結婚という呪縛に縛られているのかもしれない。今はもう恋愛のハードルが上がって、安易に人を好きになれない。結婚を考えても良い人と一緒になりたいし、お付き合いするからにはちゃんと2人で幸せになりたいねってお話でした。