雨、散々
僕が住む大阪は梅雨が遅れ、先週ようやく梅雨入りをした。6月は雨が全然降らなかったけど、7月はこれでもかってぐらい雨が降るらしい。
雨が多くなる7月。天気予報によると七夕も雨になるのかな。
そうすれば織姫と彦星は会えなくなってしまうのかもしれないね。1年に一回しか会えないのに、雨で会えないとかなんて残酷な世界なんだろうか。
切ない七夕になるのは嫌だから、天気予報が当たらないで欲しいと願う。
そうそう、天気予報士さんによれば、6月と7月の雨量を合算すれば、例年通りの平均雨量になるみたいだね。
1つだけ雨のエピソードを。僕の行事ごとは事あるごとに雨だった。
僕の高校入試や高校、大学の卒業式、成人式は雨の日に行われていた。門出を祝うタイミングで雨とか最悪かよって当時は思ってたなぁ。
みんなで雨に濡れながら、青春を感じた当日がほんとうに懐かしい。
僕の思い出にはいつも雨が付き物だった。
卒業式や成人式などの行事は、ほとんどが雨の中行われたけど、不思議と行事が終わる頃には雨は止み、空がこれでもかと言わんばかりに晴れていた。
空が僕に「止まない雨はない」ということを教えてくれたみたいで、「人生捨てたもんじゃないよな」という気持ちになった。
僕は雨の日に思い入れがある。
でも基本的にみんな晴れの日が好きだ。雨の日に思い入れのある僕も晴れの日が好きな人の1人である。
雨の日は億劫な気持ちになるし、やる気が削がれてしまい、1日中家に引きこもっていたくなる。
晴れの日は空が綺麗。朝陽や夕焼け、そして夜空が幻想的な世界へと僕らを誘う。ロマンチックな風景を見る口実を使って、好きな人をデートに誘うやつも晴れた日はできてしまうから、今すぐにでもやりたい。
でも雨がなければ世界は干からびてしまうから、雨はこの世界に必要なのものだ。
雨には2つ種類がある。
憂鬱になってしまう雨と心地のいい雨。
外に出る用事がある時は、憂鬱になってしまう雨になることが多い。
「さあ、家を出るぞ」って時に雨が降っていたら、やる気を削がれてしまうよね。雨に濡れたくないし、濡れたら乾くのに時間がかかる。
化粧も崩れるし、髪もうねるし、デートの日に雨が降ると綺麗な景色を見るやつもできなくなってしまう。
雨に濡れて風邪をひいてしまった時はもう最悪だ。体調を直すのに時間が掛かり、やりたいことをやれなくなってしまう。
風邪は「体が休むためのサインを出してくれているんだよ」って言われても、すんなりと受け入れることができるほど許容範囲が広い人間じゃない。
洗濯物を外に干していた時なんてもう最悪だ。濡れた衣服をまた洗濯し直さなきゃいけないし、洗剤も無駄になってしまう。何より濡れた衣服を取り込む作業がもうめんどくさい。
雨に日に起こった嫌なことは全部雨のせいにしたくなる。てか雨のせいにすることで救われてる。
その一方で、家にいる時は心地のいい雨になることが多い。
家にいれば濡れることがないから、雨音をBGMとして楽しむことができたり、濡れた地面や草花を見て楽しむことだってできる。
そして家に帰るときに降る雨も心地いい雨だ。家に帰ってシャワーを浴びれば全て解決するから、傘なんて好きな人にあげて思う存分にまで濡れてしまう。
水たまりを見つけたらそこに足を踏み入れたくなるし、雨に濡れながら東京事変の「キラーチューン」を聴いて、人目を気にすることなく、踊ってしまいたくなる。
憂鬱になってしまう雨と心地のいい雨。どちらも同じ雨なのに、時と場合によって状況が変わってしまう。でも僕は雨が嫌いじゃない。むしろ好きだ。
雨は普段見ている景色を、なんとも不思議な世界に変えてくれる。雨に濡れた世界は幻想的でとても綺麗。僕の語彙力じゃ言語化できないけど、雨に濡れた世界はなんかいい。
悲しいことが起こった時も、全部雨のせいにして泣くことができる。
雨は好きな人と相合傘をして引っ付く理由になってくれるし、いっそのこと傘を渡して好感度を上げてしまうやつもできる。
僕は雨が好きだ。
雨は渇きを潤すもので、僕らにとって不可欠なものだ。
止まない雨はない。雨が止めば虹がかかり、空は少しずつ晴れていく。
天気は僕らの人生みたいで、今辛い思いをしている人も、やるべきことをやれば必ず報われる。やってきたことが報われる自分を最大限に信じて前に進もう。
「雨、散々」ではなく、「雨、嬉々」に変えてしまえるかどうかは自分次第なんだよ。