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【映画】『クレイマー、クレイマー』:いまも色褪せない家族ドラマ


仕事第一の男テッドがある夜遅く帰宅すると、荷物をまとめた妻ジョアンナが彼を待ち受けていた。
「誰かの娘や妻ではない自分自身を見つけたい」と言い残し、彼女は去って行った。
息子とニ人残されたテッドは、失意のなか家事に奮闘。
数々の失敗やケンカを乗り越えて父と子の間に深い絆が生まれた頃、息子の養育権を主張するジョアンナがテッドのもとを訪れた…。

リンク先説明より




主演のダスティン・ホフマンといえば僕のなかでは『レインマン』


子どもの頃わが家ではレインマンが人気で、家族団らんでよく観ました。
弟チャーリーの恋人と兄レイモンドのキスシーンは親の隣りで毎回居心地が悪かった。。

ダスティン・ホフマン、こちらの作品では自閉症の兄レイモンド役。

『クレイマー、クレイマー』も『レインマン』も家族ドラマの傑作。




メリル・ストリープといえば『プラダを着た悪魔』



岡田斗司夫氏による、『プラダを着た悪魔』冒頭2分からアメリカの階級社会が読みとれる解説が超絶に面白い。




音数すくないサントラの贅沢


映画の好きな方は一度は耳にしたことのあるサントラ。

ヴィヴァルディの『マンドリン協奏曲』


映画サントラにクラシックを選曲している作品って好きなことが多い。時間が経っても古臭く感じない。

クラシックじゃなくてもギター、ピアノ、ヴァイオリンなどなど、音数少なめのサントラが好き。


本作は夫婦の離婚と親権をめぐる裁判と。

わりとドロドロした夫婦間の争いがテーマ。

だけど、穏やかなサントラがドロドロ感を中和してくれてる。家族みんな傷つきつつも、かけがえのない親子二人で過ごす時間の尊さとか、離れていても繋がってる絆とか、でも家族っていいよねって安心がストーリーの根底にあるって感じられる。



仕事マンから子煩悩パパへ


お父さんがバリッバリの仕事マン。


頭のなかは仕事のことばっかりなんだけど、妻の家出をきっかけに家族に向き合うようになって、だんだんと仕事より息子大事!となっていく。

職場のボスに息子の話ばっかりするようになるし、息子の用事のために大事な会議に遅刻するし、挙句の果てにはそれが原因で会社をクビに。掴みかけたキャリアの道もポシャってしまう。

その子煩悩っぷりの変化は、胸熱でしかない。



色褪せない傑作


妻の家出、再会そして裁判を通しての、夫と妻の変化っぷりが見どころ。

40年以上まえの作品だけど、今みても変わらない夫婦間の問題が描かれてると思う。


そして両親に振り回されっぱなしの息子。

離婚や親権騒動の話ってドラマで定番だけど、ほんと子どもは翻弄されるんだなと。

また、この子がいい感じの寝癖とか、ミルク飲むと必ずミルクヒゲつくるところとか、絶妙な拗ねかたとか。

子どもの可愛らしさをギュッと濃縮したようなボーイなんだわ。


突然両親どちらかがいなくなるって喪失感って、ハンパないショックだと思う。

だけど、じゃあ両親が揃っているけど不仲でいつもケンカしている環境の方がいいかというと、そうでもない…


いまみても色々考えさせられます。



冒頭と、


そして終盤の、父と子でフレンチトーストを作るシーン。


妻の家出をめぐる父と子のビフォーアフター。

この対比がたまらんですよね。

とくにアフターの場面。父子二人生活ラストの日の朝なんだけど、ふたりとも無言なんだけどちゃんと繋がってる。無言だからこその名シーン。


クレイマークレイマーで検索すると、フレンチトーストって予測が出てくる。ってくらいみんなこのシーン好きなんでしょう。

ちなみに手づくりフレンチトースト、めちゃ簡単&うまいですよ。



『クレイマークレイマー』ってタイトル、もとの英題だと『Kramer vs. Kramer』なんですね。はじめて知りました。


当時って謎の邦題問題ってあって。

マイケル・ジャクソンの"Beat It"が「今夜はビート・イット」とか。

ボン・ジョヴィの"Runaway"が「夜明けのランナウェイ」とか。


そんな時代のなかで、本作はあえての『クレイマークレイマー』と。

原題に忠実なとこがセンス良いです。

『父と子 引き裂かれて』、『激突裁判』、『怒りのフレンチトースト』、『アイスクリームは食べないで』、『真夜中の全裸の同僚』みたいな邦題じゃなくて良かったなと。



これを書いてる今現在、アマプラでレンタル199円です。




たとえばこんな作品も。


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ryosukewexer
うちの子ノエルにちゅ〜るをあげます。