見出し画像

【ヒゲの殿下】 三笠宮家の彬子さまの父君、故・寛仁さま著『トモさんのえげれす留学』を読む


彬子様の『赤と青のガウン』があまりに面白すぎて



父君の英国留学記も読もうと。

こちら。


すでに絶版で、彬子様の作品が人気なためか現在プレミア価格。

図書館で予約して借りました。


『赤と青のガウン』からの読者が多いらしく、僕が予約した後も予約で埋まってました。彬子様人気すごい。


さて、随分前の本のため活字がちいさい。読みづらい。

だけど、読み慣れてくると寛仁様の気さくでユーモラスなお人柄がでていて面白くてスルスル読める。


彬子様の留学記との比較


彬子様も英国で電車に乗り遅れたとか、僻地の空港で怪しまれたとか、面白いエピソードが満載。

一方で、学業に忙しくストレスでぎりぎりのメンタルでなんとか博士号をとったこと。

大英博物館で幻の日本画のレプリカを発見して感動したこと。

などなど、学業についての話が多かった。


父君の『トモさんのえげれす留学』では早々に試験は諦めてらっしゃるw

「オックスフォードに2年間在学した。そこで勉強もし、オックスフォードの良さを吸収したことに価値があった」
と判断し、両親の許可もえて、証書は受け取ってこなかった。

本文より


『トモさんのえげれす留学』では、いかに寮から抜け出すかのエピソード。あと、カヌー、スキーとスポーツ三昧なご様子だとか。

社交界の話も多く、ご自身の誕生パーティーでパーティー上級者の英国人の度肝を抜かしたエピソードなどなど。

ユーモアあふれる楽しい話題でてんこ盛り。

語学の壁がありつつの留学。こういった経験を踏まえて長女の彬子様には学業に専念するようにって思いが強かったのかもしれません。



皇族の方からみた皇室


『トモさんのえげれす留学』では堅苦しい表現のないフラットな文体で書かれていて、寛仁さまの思いも率直に描かれてます。

たとえば、皇族の方からみた皇室について、ほとんど知るよしもないんだけど、

僕自身、家柄とか、血筋とか、称号とかを問題にした場合、日本の皇族という世界にもくらべようがない素晴らしい家系に生まれたにもかかわらず、気取ったまねをするのが、どうにも苦痛

本文より

と書かれていて。

当たり前なんだろうけど、皇族としての誇りみたいな思いをさらっと書かれていて、そういうもんなんだなと。一日本人として嬉しくも思いました。



寛仁さまのブレないお人柄


『赤と青のガウン』のあとがきにあった留学時の寛仁さまからの言葉。それは、国費で留学するようなものだから日本に帰ってきたら留学記として本にまとめなさい、という一言。

その30年以上前にご自身の書籍で同様のことを述べられていた。寛仁さまのブレないお人柄が2冊から感じられました。


皇室の方の作品ってほとんど読んだことなかったけど、その視線や考え方を知ることができるのがいい。

行間を読む、訳では無いけど、何気ない一言からも伝わってくるものがある。

そういう意味で、日本人にとって身近に感じられて遠い存在でもある皇室のことを、気持ち一歩近づいて知ることができました。


『トモさんのえげれす留学』、図書本はカバーが既にボロボロでした。これもたくさんの人たちに読まれた証。彬子さまの著作の人気につづいてぜひ復刊してほしい。


とりわけ今回、ますます彬子様のファンになりました。

ちなみにこちらで彬子様の記事が無料で拝読できます。


つぎはこちらの作品を読みたい。
楽しみにしている本があるって幸せ。


うちの子ノエルにちゅ〜るをあげます。