夢百夜(8) 夜の道をランニング。映画館に行きたくて。レストランを夢みて。
さっきまで雨が降っていた夜の道をランニングしている。
伴走しているのはセミプロのランナーの男性。
彼はにこやかに楽しそうに走っている。
彼のスピードはかなり速い。
でもなぜか全く苦しくなく彼の横を走っている。
彼は笑いながら、ふだん宿直もある仕事の合間、ランニングしているとはなす。
「ヘタすると宿直明けに大会に参加することもあるんです」
と笑いながら、楽しそう。
夜の道は町の明かりや車やバスのライトで、赤、青、黄色と
彩りよく光っている。
とつぜん、映画館の予約をしていたことに気づく。
海沿いの公園のアスファルトの上を走りながらそれを伝えると、
彼は笑いながら残念そうに「そうですか。じゃあこのへんで」
とセミプロランナーの彼はさきに行ってしまう。
このまま映画館に向かいたい。
でもその前にランニングシューズを脱ぎたい。
そのために公園のトイレに向かう。
靴をじょうずに脱ぐためには空き缶をつかうとすぐ脱げる。
でも、空き缶がなかなか見当たらない。
さらに、いつの間にか男の子といっしょに走っていて、
彼の着替えをてつだう羽目になっている。
映画のじかんがせまっている。
でもなかなか身支度できない。
ぼくはイライラしている。
ふとそのとき、「あの店に今度行きたいよね」
と女性とはなしたお店を思いだす。
ビルのうえ、6階のフロアすべてがお店で、
白と黒が基調の落ち着いた雰囲気でスタッフもにこやかで出迎えてくれる、、
まるでそのお店のまえにきたように、うっとりと目の前の映像の景色を楽しみながら、
でも目の前の男の子の着替えをしなきゃ、、映画に行かなきゃ、、
というか、この男の子だれだ、、、?
と片隅でおもっている。
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