【名曲】だからバッハをきく
最近バッハばかり聴いている。
音楽を聴きたいという欲求があまりない。
あたらしい音楽を聴きたい気持ちも強くない。
SNSで世界中の伝統音楽の現在まとめ垢をフォローしていてみて聴いて楽しい。
でももっとYouTubeで深掘りしようとまでは今の所ならない。
2020年巣篭もりの頃にクラシックにハマって全集のCDやらLPやらをわんさか買った。
そのなかでバッハ大全142枚のセットが良くて、いまそれを聴いている。
ちょうどいま8枚目。
7枚目からとても聴きやすい。
YouTubeでも聴けますよ。
ファミコン世代はみんなバッハファン予備軍だと思う。
神ゲーとして君臨するドラクエ。
お城の音楽ってまさにバッハしている。
というかドラクエの音楽ってクラシック音楽がベースで、イラストは鳥山明氏なんだけど、BGMを聴いてどこかヨーロピアンな雰囲気を醸していた。
あと80〜90年代バンドブーム全盛期にバンド好きだった人。
もうバッハでしょう。
中学のときにギターをはじめて、超初心者なのに友達からイングヴェイ・マルムスティーンの教則ビデオを借りて、ドキドキしながら再生した。
当時の映像がyoutubeにあった。
「やあみんな、イングヴェイマルムスティーンだ」
おお、バンやろ(バンドやろうぜ)に載っていたあのイングヴェイがしゃべっている!
で、ギターの速弾きのレッスンが始まるんだけど、レッスンのリフが速すぎて全く聞きとれない。
イングヴェイ先生もそのことはわかっていて、
「じゃあ、超スローで弾くからよく聞いててね」
と超スローにリフを弾いてくれたその音色がバッハしていた。
イングヴェイ、バッハ弾いてたのかよ!髪型もバッハかよ!
そう当時のヨーロピアンなハードロックはクラシックのフレーズ満載で、ギター少年を熱く熱くさせたギターソロ演奏もじつはバッハしてたのだ。
「prisoner of your love」は見事なG線上のアリアリスペクトっぷり。恋しさと切なさと心強さとがハンパない。
大学の時は年上の友人から「これ聴きなよ」ってCDを手渡された。
一枚は椅子にやたら斜めに座って物憂げなポーズしている男性の写真がジャケット。
もう一枚はバック・トゥ・ザ・フューチャーの主人公マーティのお父さんの若い頃みたいな男性のジャケット。
CDウォークマンで聴いたら、ベートヴェンの運命をピアノでカバーした作品で、ちょっとこれは!!!って思った。
しばらくしてからそのピアノストがグレングールドで、彼のゴルトベルク変奏曲がすごいらしいときいて聴いたら、ものすごいロックな演奏していてビックリした。録音に本人の鼻歌まではいっていてさらに驚いた。
それからずっとゴルトベルク変奏曲ばかりきく時期があって、さらにゴルトベルク変奏曲はとある貴族の入眠用に作ったと書いてあって、グレングールドのゴルトベルクじゃ寝れないじゃん!ってさらに驚いた。
演奏は1955年録音のものがやっぱり好き。荒々しいというか鬼気迫るというかなんというか。控えめボリュームでも全身に感じる音圧が凄まじい。
1981年録音は熟成されたワインというか、芳醇で完成された作品。音の粒がまろやかに聴こえる。音質も音の場もよくて、すぐそこにグレングールドがいる気配まで感じる。ソニーもすげえ。
あとね、みんな好きでしょう、クリストファーノーラン監督。『ダークナイト』にみんなやられたでしょう。
あのノーラン監督の代表作『インターステラー』のサントラもまさにバッハしている。
ちなみに余談ですが、インターステラーの主人公の家族思いの父親。
(下のトレーラー!!インターステラー続編あるのか?!)
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』冒頭のレストランでラリって突然歌い出す上司役の俳優マシュー・マコノヒー氏と知って驚愕でした。
またまた映画『セブン』もG線上のアリアと図書館と警察官たちの賭けポーカーという絶妙なシーンがありましたね。気合い入れないとラストみれません。
耳をすませばバッハの影響を受けたバッハしている音楽は星の数ほどあって、大人になってそれに気づいて、
で今、バッハ全集を聴いています。これってひょっとして現代音楽の川上にいる気分です。
90年代に思春期を過ごした一人として、当時の歌はミリオン狙えで、テレビやラジオでリピート再生、耳にこびりついて、商品買え買えマインドコントロールな雰囲気満々だった。
90年代はいまとくらべてメディアが少なかったから、テレビや雑誌で「次はこれ流行るよ!」って情報を流し続けると、みんなワーっとそれに群がるような時代だった。インターネットが普及して本当によかった。
バッハの音楽を聴くと、心身が整う感じがする。
バズを狙っていないので10秒でインパクトあるフレーズ!の世界とは無縁。旋律も穏やか。
だから一見退屈にもみえるんだけど、きいてるうちに1曲の中にさまざまなフレーズが織り交ぜられていて、まるで建築物のようなシンメトリーさがあって
複雑で一回聴いてもメロディーを覚えられない。1曲でいろんなパートの色々なフレーズを楽しめる。
でも一度は耳にしたことのあるフレーズが散りばめられていて、里帰りした郷愁にも浸れる。
激しいリズムも電子音もないので耳にも優しい。長時間聴いていて疲れない。
冒頭でも紹介したけど、僕のもっている全集と同じメーカーが音源をYouTubeにアップしているので無料で聴ける。
またヨーロッパではバッハ人気は今も健在で、バッハchがあって、いまでもバッハの演奏が更新され続けている。
チェロのソロ演奏とかめちゃくちゃカッコいい。激渋爽やか。
バッハの引き出しを開けると無限に音楽やエピソードが出てきて楽しくて、無限に楽しんでられる。
前述したように至る所にバッハの影響を受けた音楽はあって、それを日々耳にしているので、バッハの曲を聴くとホッとする。
昔みたいにCD70分のアルバムをじっくり聴く機会ってほぼ無くなったけど、たまにはスマホをやめてバッハの演奏に耳を傾けるとものすごい気持ちいいですよ。
MP3MP4に慣れた耳でCD音源を聴くとぶっ飛ぶぐらい音質良くて、ここはホールかってくらい楽器が近くて贅沢が味わえますよ。
タイムドメインのスピーカーとCDプレーヤーがあれば音に関して一生モノで幸せになれると思う。僕はタイムドメインのライト、ミニ、マクセルのMXSP-4000を経て、いまはYoshii9(の初代)を使っています。
うちの子ノエルにちゅ〜るをあげます。