ティッシュ配り再興戦略 - コミュニケーション・マーケティング・マネジメント
「ティッシュ王子」
大学四年生の時のアルバイト先でのあだ名でした。
嬉しいような、嬉しくないようなあだ名です。笑
当時甲子園で活躍していた斎藤佑樹さんが、
ハンカチで汗を拭く姿が話題となり、
「ハンカチ王子」と呼ばれていました⚾️
私がバイトのシフトに入ると、
ポケットティッシュが予定通りに配り終わったそうで、
「ティッシュ王子」と命名いただきました☝️
ティッシュ配り担当の5人を統括するリーダーとして、
名古屋栄の最も忙しい5つの出口に5人を配置し、
5000個のティッシュを時間内に配るというタスクから、非常に多くを学ぶことができました。
今日はアルバイトからの学びの第一弾で、
ティッシュ配りからの3つの学びについて考えてみました。
1. コミュニケーション
ティッシュ配りは奥が深いです。
私は「ティッシュ配り道」なるものを
当時真剣に考えていました。
早く配り切るというのが自分のゴールでしたが、
始めはなかなかうまくいきません。
街中で知らない人から突然何かを渡されると、
多くの人は逃げます。
ティッシュを受け取ってもらえない一つの原因が、
すれ違うほんの一瞬のタイミングで、
私が渡そうとしているものが「ティッシュ」だと
認知されないからだということがわかりました。
「ホットヨガでーす」と言って渡すのもいいですが、
ただのチラシだと思われて
受け取ってもらえないことが続きました。
そして、ある一人の人にヒントをもらいました。
一度通り過ぎてしまった人が、
「あ、ティッシュならちょうだい。花粉症ひどくてさー。」
と言って戻ってきました。
「なるほど!」とこれで気づきました。
広告チラシだけだと不要だと思われるので、
自分が見知らぬあなたに渡そうとしているのは
「ティッシュ」であるということを前面に出しました。
そこで戦略を立てました。
相手の視野に自分が入ったと思うタイミング、
4メートル先くらいになってから狙いを絞り、
早めから笑顔で「これティッシュです!どーぞ。」
と言うことにしました。
この効果は圧倒的でした。
おそらく日本中のティッシュ配り担当で、
「ティッシュです」と配る人はあまりいなかったようで、まずインパクトがあります。
しかし、嘘はついていません。
さらに、周りでチラシを配っている人との差別化ができます。
「ティッシュです、ってそのままじゃん。」
と何度も振り返られました。
これで良かったのではないかと思います。
自分が持っているものがティッシュであると認知され、
相手が受け取ろうとした瞬間に、
「これホットヨガなんでよろしくです。」
と付け加えました。
2. マーケティング - 潜在顧客選定
潜在顧客の選定と、渡し方も意識しました。
毎日ティッシュを配っていると、
受け取ってくれる人かどうかの見極めがついてきます。
年齢、性別、人相、気分、外観、一人かグループか、
歩くスピード、目が合うかどうか、
顧客分析から入ります。
社員の人からは「20-50代の女性をターゲットに」
と言われていました。
「ティッシュなんか貰わないわよ。」
とプライドの高そうな方も中にはいましたが、
本音は欲しいんではないかと思って突撃します。
並んで歩いているお姉さま達は
一気にもらってくれるので早いです。
「皆さんでどうぞ」と一気に複数渡しました。
歩いている人にもアプローチを続けましたが、
ふと、多くの人が近くで信号待ちをしていることに気づきました。
歩いている人だけに配るって誰が決めたのか。
とすぐに違う方法を考えがちな私ですが、
信号待ちをしているお姉さま達の集団に突撃して
ティッシュを渡しに行きました。
すると、
「本当はさっき欲しかったんだけど、貰い損ねちゃったんだよね。」
「ありがとう。」
「これ何?ホットヨガ?どこにあるの?」
こんな感じで話してくれる人が結構いました。
そんな人には、「一個とは言わず、好きなだけ持っていってください。」と言ってカゴごと渡して、カバンの中に入れてもらいました。
3. マネジメント&コーチング
ティッシュ王子として社員の中でも話題になった私は、チーフとして別のティッシュ配りをする大学生5人のマネジメントを任されました。
5人の大学1年生を目の前に、
これは5人で5000個を早く配り切るゲームで、
チームワークが必要であるという点、
配り切ったら早く帰れるということを伝え、
メンバー同士の士気を高めます。
派遣型なのでいろんな性格の人が毎日来ます。
元気が良く、断られても立ち直るレジリエンスがありそうな人は最も忙しい出口に行ってもらい、二人のチームで協力してもらいました。
おとなしい性格で突撃が難しそうな人には、
潜在顧客設定と配り方を教え、私も一緒に配りました。
だいたい元気の良いチームが早く配り切るので、
他のメンバーのティッシュも配るのを手伝ってもらいました。
全く知らない人たちが、協力して何かを達成するという作業は結構楽しかったのを覚えています。
様々な場所で、異質な人たちが協力して、
アジャイル的にそれぞれができることをする
という、今にも通ずるメッセージだったような気がします。
最後に
昨日なかなか会えない日本にいる弟と話をしていて、
昔のバイトの話になりました。
私は学生時代に様々なバイトをしてきたのですが、
ティッシュ配りは人生経験を豊富にしてくれた一つだと
今でも思っています。
ティッシュ配りはだいぶ減っているようですが、
何か別の場面にも活かせそうな気がしています。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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