コーチングを学ぼうとする人に伝えたいこと
「コーチングをコーチングする」ことを始めました。経営層から次期マネージャー候補者まで、"チームを率いる人"で、実際にコーチング対象がいる人向けに、早速プログラムを開始しました。
友人と、友人経由と、学生に教えてもらった「yenta」というwebサービスで、初回の参加者を募りました。
体系的に学ぶこと以上に実践の振り返りの方が絶対に効果的なので、1対多の講義ではなく1on1でやることにしました。知識は、あくまで実践が先で、必要になってから入れる方がいいと思ってます。あと途中から、もしかしたら参加者同士のシェア&フィードバックなどもやり始めるかもしれません。適宜考えます。
これまでは高校生・大学生向けの1on1を実践してきました。しかしこれからは、培った1on1術をもって、世の1on1プレイヤーに貢献する所存です。
とは言うものの、これから僕はその「培った1on1術」なるものを棚卸しにかかります。大袈裟ですね。
ただ、既に少し始めてみて、感じたことがあります。知識や技術は、たぶん、基本的には自分の手で身に付けた方がいいです。試行錯誤の実践を通して、自分にとっての最善の形、最高の自己流を醸成することこそが目標になるんじゃないかと思っています。
じゃあお前(私、長谷川)は何やるの?
と問われますよね。
そうですね、、、たぶん僕が伝えられるのは、
「本当の自分に気づかせてくれるのは、
本気で自分を想ってくれる人だけだから」
by 光岡音々(『SHIORI EXPERIENCE』11巻より)
ということに尽きる気がしています。
あの手この手で、これを伝えるんだと思います。
え、精神論ですか?
そうです、精神論です。
to doやマニュアルから教える方が効率的だが、このやり方だと弟子は師匠を超えることはない。
と、かの濱口秀司大先生はおっしゃってました。思考の超人です。
一部引用します。
僕が言いたいのは、この(to doやマニュアルから教える)教育方法には、いいことと悪いことがあるんです。
いいことは、むちゃくちゃ効率的に学べます。実際に、世界中の学校で使われている。基本を把握できているから、ある程度なら新人でも成果を出せるんです。では、悪いことはなにかというと、先生の能力を超える可能性が
ものすごく低いです。99%の確率で超えません。
(中略)
先生の知っている範囲で正解っぽいものを教えてしまうので、生徒側もわかったつもりになってしまいます。そうすると、自分で考えたり、もっといい方法を編み出したりという、構想力や思考力が成長しないんですね。
そうすると、つまり‥‥、中途半端な「僕」が生まれちゃうんです。
だから、精神(≒文化)から教えることで、弟子は師匠を超えられる。
とのことです。とても共感しました。
やはり各自に、最高の自己流をつくってもらうしかないと思うんです。僕を目指してもしょうがないですから。逆に言うと、答えを求めて来られたら難しいかもしれません。答えを教えるわけではないので。学ぼうとする方は大変かもしれませんね。何せ自分で全部見つけなきゃいけないわけですから。
このほぼ日での濱口さんのインタビューはあまりに示唆に富むので、ぜひ読んでみてください。
ちなみに「本気で想う」は精神論でもありますが、一方で精神論だけに非ずです。精神論であると同時に、具体的な手段でもあるんです。
いろんな想い方があるので、それを一緒に考えるんだと思います。本当にそれが最善なのか?と、たくさんの時間を費やして一緒に考えるんだと思います。それを通して、精神(文化)を伝えていくんだと思います。
そして結果として、この「コーチングをコーチングする」プログラムに参加するすべての人が、最高の自己流をつくれるようにサポートしたいです。
* * *
これからやるのは「1on1on1」です。僕の目の前にいる"チームを率いる人"の、さらにその目の前にいる誰かのための、新しい挑戦です。
いくつかの楽しみがあります。
1つは、1on1した相手からその先に、何人もの人に広がっていくこと。
もう1つは、教える的な立場になって、確実に自分が教わること。
加えて、新たな血肉を得た僕が、1on1 collegeでより良い1on1を提供できること。
どれも最高に楽しみです。
成功も失敗もできるだけお伝えしたいと思います。続編を、乞うご期待ください。今日もありがとうございました。