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出版の裏技!編集者が抵抗できない10万字原稿の魔力とは?

「カレーの匂いを嗅ぐと、無性にカレーが食べたくなる」
「新年・新学期になると、なぜか新しいノートが欲しくなる」
「女性の髪を耳にかけるしぐさや男性のネクタイを締める・緩めるしぐさに萌える」

人間には「AするとBしてしまう」というような、思わず体が反応する機能がついているものです。

私の場合はティッシュ。
街でティッシュを配っていると必ず2個もらう機能が付いています(笑)。

あなたに付いている「無意識的に反応する機能」はなんですか?

実は誰も教えてくれないですが、この「無意識的に反応する機能」は編集者にも存在しています。

それは「10万字の原稿を見ると出版したくなる」というものです。
10万字原稿は新人でもベテランでもどちらでもOK。むしろ新人の方が効果が高いと言えます。

そこで今回は、まさに出版の裏技とも言える「10万字原稿の魔力」についてお話ししたいと思います。

私はこの理論などを活用してこれまで9冊の本を出版してきました。


●10万字原稿の魔力の秘密は「出版流通」にあり


「取次」という言葉を聞いたことはありますか?

日本において本が読者に届くには
「出版社→取次→書店→読者」という流れで販売されています。

その重要な本の卸売りを担当するのが取次。
トーハンや日販いう名前を聞いたことがある人もいるかと思います。

実はこの取次というシステムがあるために、編集者は10万字の魅力に反応してしまうのです。なぜなら出版社の売上は取次に本を納品した段階で発生するからです。

通常、売上というと最終購買者(読者)が買った瞬間に発生すると思われがちですが、出版社においては読者が実際に買うかどうかは関係ありません。取次に本を納品するだけでOK。この段階で売上がすべて発生します(逆に取次から本を戻されると返金が発生しますが)。

目の前に現金を積まれて「NO!」と強く言える人はなかなかいないのが、人間という生き物だと私は思います。

通常、1冊の本は10万字程度で書かれ、最低でも半年以上の時間をかけて執筆されます。逆に言い換えると、出版社の売上は最低でも半年はたたない。

だからこそ取次の仕組みのおかげで、売上が欲しいと思う編集者や出版経営者にとっては10万字の原稿は現金に見えてしまうのです。

●10万字の原稿は編集者の不安を解消する


10万字の魔力はお金の面だけではありません。編集者が中身を検討するときにも発動します。

たとえばあなたが新人作家だとします。これまでブログやサンプル原稿で文章の力量があることは確かめ済み。でも本当に1冊に必要な10万字の原稿を書き上げることはできるのでしょうか?

実は編集者はこの「本当に書けるのか?」という悩みを常に抱いているのです。

でもあなたが10万字の原稿を先に書いてしまえば、そんな悩みは1秒で解消。すぐに中身のチェックに入れ、原稿を磨くことに集中できます。

実際、私の友人の作家志望のFさんは、このアドバイスを即実行。
誰からのオファーがないのに10万字の原稿を作ってしまいました。

結果、いきなり原稿があるということで原稿を持ち込んだ出版社で出版に成功し、今はコンサルタントとして活躍しています。

「巧遅は拙速に如かず」ということわざがあるように、上手いよりも早く行動する方が良い結果を引き寄せるんですね。

●10万字原稿は「ネタがあること」を証明してくれる


編集者やライターさんと話していると「何か面白いネタはないですか?」と聞かれることがあります。そんなとき、さっと「こんな原稿があります」と10万字原稿を取り出してみてください。

1冊の本になるときもありますが、10本のコラムとして活用されるなど、部分的に採用されることが多々あります。

事実、私は10万字の原稿を見せたことで大手出版社の編集長と何度か打合せする機会に恵まれ、色んなチャンスをいただきました。

●まとめ


論より証拠。
100の言葉を尽くして企画の魅力を語っても、たった1つの「10万字原稿」が持つ説得力にはかないません。

あなたが本当に作家になりたいなら、まずが原稿を書き上げてしまうのもひとつの出版の手段です。

「やっぱりオファーが先でないと」という人は残念ながら作家になるのは時間がかかると思います。

オファーありきの執筆でも赤字は山ほど入りますので、先に好きなように書いてしまうのが作家冥利に尽きる行動だと私は思います。

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後田良輔(うしろだりょうすけ)|ビジネス書作家
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