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2021年9月に読んだビジネス書1冊ずつコメントしてみた

今月は計5冊のビジネス書を読んだ。
自分の考えを深く掘り下げるために読む冊数を絞って考える時間を増やしたからだ。

だが残念なことにうまく掘り下げられたのは2冊だけだった。
ただ考えたことを書くだけなら書けるが、それでは自分のためにならない。

だから今回は2冊に絞って書いていく。

 ▼ Think Simple

アップルの圧倒的な商品は世界的に知られている。

特にiPhoneは他社のスマートフォン(以後スマホ)と比べても形状は大きく変わらない。
にもかかわらず、多くの人がiPhoneを好んで選ぶ。

他者を寄せ付けないほどのブランド力を支える1つが本書のテーマでもあるシンプルさだ。

世界的大企業であるはずのアップルだが、あらゆる面でシンプルに小さく行動することで、わかりやすい商品を生み続けている。

シンプルさの中で私が気になった部分をピックアップして考えを書いていく。

☑ 日本人の「察してくれ文化」は複雑

日本人は言葉を直接いわずに遠回しにいうことがある。
「察してくれ文化」というものだ。

手伝ってほしいといわれたわけでもないのに、「どうして手伝わないんだ」と怒られる。
「手伝ってくれ」と一言いえば済む話なのに。
たったこれだけで互いの関係は悪化、つまり複雑になってしまう。

察してくれ文化でもっとも厄介なのは言葉だ。
直接いうと嫌われるかもしれない、周りの評価が下がるかもしれない、そう考えてしまい、つい遠回しに伝えようとしてしまう。

たしかに直接自分のことを指摘されるのは気持ちいいことではないかもしれない。
相手から悪口をいわれているかのような印象を受けてしまう。

しかし、遠回しにいったところで、相手に伝わるだろうか?

言葉が遠回しになると、その分情報量が多くなる。
あいまいな言葉を1つずつ考えながらインプットしていかなければならない。
最後は相手が何をいいたかったのかわからずじまい。

スティーブ・ジョブズは生前、容赦なく伝える人だったそうだ。
いいものはいい、悪いものは悪いと、本人に面と向かっていうのだ。
なぜなら、本当にいいものを作りたいから。

相手の思いをくみ取る前に、自分が考えたことや感じたことをいう姿勢は戸惑う人もいたはずだ。
だが、世の中に素晴らしいものを届けたいという思いを伝えるには、十分すぎるくらい素直な言葉だったのだろう。

言葉を飾らず直接いうことは、自分の思いを伝えるうえでは必要だ。

☑ できる前提で話を進め、できない部分は後から考える

空飛ぶ車はマンガの中だけの話、そう思っていた人は多いのではないだろうか?
4つのタイヤで地面を走り抜けるもの、それが車という認識だった。
しかし、現代ではすでに空飛ぶ車の実証実験が始まっており、いよいよ現実的になってきた。

誰もができないと思い込んでいることも、世界のどこかにはできると信じている人がいるものだ。

一見、無理だと思われそうなものが実現し大きな成果を上げる、これがイノベーションだ。
グローバル化したことで、あらゆる産業が成熟し、業界の垣根がなくなる中、イノベーションの必要性が高まってきた。

どの会社でもイノベーションを起こそうと行動しているが、現実はうまくいかない。
反対派の影響力が大きいからだ。

どんなアイデアも完璧なものは存在しない。
そんなものがあるなら未来予知だ。

不完全なものから実現したいことを描き、形にしていくのがセオリー。
一方で、不完全であるがゆえに反対派の意見が強くなってしまうのだ。

反対するだけなら誰でもできる。
だが新しい案をいうわけでもなく反対するだけでは何も前に進まない。

だからまずできる前提で話を進めていくべきだと考える。

こういうものがあればできる、と今はなくても、実際にある前提でクリエイティブに考える。
理想を思い描き、そこに必要なものを自由に発想するのだ。
そうすると、不完全であるアイデアは現実味を増して広がっていく。

だが、もちろんないものだらけ。
それらがあれば実現できることも、ないから実現できてないのだ。

この場合は自分のアイデアを関係者に伝えていくのだ。
わたしたちが思っている以上に技術の進歩は早い。
空飛ぶ車もこんなに早く現実味を増すなんて思わなかったはずだ。

案外、アイデアをいってみると今は無理でも将来はできるといわれることが増えていくだろう。

アイデアは前に進める、これが最優先なのだ。


 ▼ 戦略参謀の仕事

日本人は保守的、そう言われる。
それは経営者層にもいえることだ。

会社の中核にいるからこそ成長するために挑戦していくべきだ。
だが、過去の成功に倣い、できることを繰り返した結果が今の日本の現状だ。

変わり続ける時代に会社が変わらなければ現状維持ではなく衰退してしまう。
長く続く会社にするための要が参謀というわけだ。
参謀の役割の中でも気になった点を踏まえて私の考えを書いていく。

☑ 本でほとんどの課題は解決できる

仕事の効率化が進まない、アイデアが生かせないなど、働いていると多様な面で課題が出てくる。

お互いに話し合ったり相談したりすることで解決に近づいていくが、中には解決できないものもある。

だが本当に解決できないのだろうか?
会社で一緒に働いている自分の周りの社員は、同じ仕事をしているのだから思考や行動も似ているに違いない。

そんな人たちと話して課題を解決しようとしても、同じ答えにたどりつき、同じ考えを持っているから賛成して実行する。
そして失敗するのだ。

課題をまず解決するには可視化すること。
だが大事なのはその後。

どこから、あるいは誰から解決方法を探していくのか。
多くの人は先ほども述べたが同じ会社の社員というわけだ。

ヒントは必ずどこかにある。
そのヒントがもっとも多いのが本ではないかと考える。

世の中には数えきれないほどの本がある。
本を書いてる人は何らかの実績を上げている人、つまり課題を解決してきた人たちなのだ。

業界や職種は違えど、会社で働くにあたって悩みは似ていることが多い。
この本でも、課題の多くは過去に他の会社が解決したものと述べていた。
違う視点を取り入れたことによってブレイクスルーが生み出されることもある。

例を挙げると、ヤマト運輸がそうだ。
吉野家の「牛丼」に絞ったメニューを運送業界に取り入れ、「利益率の高い個人配送」に絞った会社へと変革し大成功をした。

ノウハウや考えを直接会って聞くことができれば一番いいのだが、それが難しいから本を書いてくれている。
過去に解決した自分たちの課題が他の人の今の課題になっている、その人たちを救いたい、そのような思いを込めて書いてくれているのだ。

課題を解決するにはとにかく違うものを取り入れるべき、そのツールが本だ。

☑ 本当に重要なことだけ資料で見える化する

「やった気になってしまう。」

会議でこれほど恐ろしいことはない。
何時間も話し合ったにもかかわらず、「次回までに調べてきます」を繰り返し結局何も決まらず。

会議はタダではない。
何人もの社員の時間を拘束し、準備に時間を取られるため、相応の成果を出す必要がある。

その中で私が気になったのは資料だ。
資料は全員で情報を共有するために作るもの。
だが作ることを目的にしてしまっているケースが多く見られる。

議題に取り上げたり解決するための根拠づけにデータや情報を添付したりグラフにして可視化するが、不必要なものまで記載してしまう。

資料が多くなるほど見ている側も思考を整理できなくなる。
共有が目的なのに認知していることにズレが生じてしまうのだ。

上の人になるほど意思決定の重要性が高まるにもかかわらず、見せる資料のデータと情報が増え、思考しづらい資料になってしまっている。
後で報告漏れがあるよりはひとまず載せておけばいい、そう考えてしまうからだ。

この本では挑戦することの重要性、それに伴うスピード感を何度も繰り返し述べていた。
時代の変化が早いからこそどちらも大切な指標だ。

スピード感を出すためにはデータや情報は最小限にとどめるべき。
そうすることで意思決定も早くなり挑戦する回数が増え、PDCAサイクルも回していける。

多いことはいいことばかりではない。


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