70代でイキイキ働く人たちの共通点とは?
楠木新さんの著書「75歳からの生き方ノート」から紹介します。最初に結論です。
働くことを中心にした生涯現役という考え方は、高齢者のあらゆる課題に対する「最強の処方箋」である。
言い換えれば、「一生涯働いた方が良い」ということです。
この言葉を見て、「その通りだ」「なるほど」と思った人はどれくらいいることでしょう?
私の周りで尋ねますと、一つの企業に勤め上げた人ほど、定年退職後は「働きたくない」と言われます。以前にも書きましたが「定年退職=働くことへのゴール」という位置づけの意識が大きいからだと私は思います。
しかも働き始めたときから、ゴールへ向かっているわけです。ゴールした後、もっと働きなさいと言われると、拒否する気持ちの方が納得いきます。
さて、どうしましょうか?
楠木さんは様々な人にインタビューして調査されています。定年後も何らかの仕事に就き、イキイキと働いている人は「定年前からその仕事に取り組んで助走している人が大半」だと言われます。
ようするに、定年退職したら「しばらくのんびりしたい」という気持ちの人ではないということです。むしろ「退職後はあれをして、これをして」とあらかじめ考えていた人は、イキイキとした人生を生きているという表れではないでしょうか?
「いつまで働かなあかんのよ!」
「もう働きたくない」「十分働いた」と、言ってる人は、まったくその逆を生きる可能性もあります。ただ、趣味に生きる人は人生を謳歌できることでしょう。定年退職は人生の終わりではありません。まだまだ人生は長いですから、あくまでも一つの区切りにしかすぎません。
楠木さんの調査では、金銭的には問題ない人でも働いている人がいると書いてられます。そこには「仕事を任せてもらえることが働く喜びにつながっている」と言われています。お金の必要な人もあるでしょうが、それ以上に「やりがい」や「生きがい」が一番大事だということです。それが仕事ではなく、趣味でもボランティアでも、退職後だからこそ何でもいいわけです。
何もしないが一番ダメ
生きている限り、誰かの役に立ったり、誰かに求められるというのは、とても素晴らしいことです。何もすることなく、ダラダラ、ゴロゴロでは生きている価値も意味もありません。それでは死を待っているだけにすぎません。
私は、小さな印刷店の看板娘として働いている90歳の女性を知っていますが、その人は「生涯現役」と言っていました。人の役に立つことによって、自分が元気でいられるわけです。