筋肉は硬くなるものです
私の本業は整体師です。日々、いろんな人のお体を手技で施術しています。来院される人は、必ず筋肉が硬くなった箇所があります。これは確実に全員です。
筋肉というのは、使ったから硬くなる性質と、使わないから硬くなる性質があることをご存知でしょうか?
高齢者と必ずこんな会話になります。
「ここ、硬くなってますよ」
「何か、したかしら?」
「何もしてないんじゃないですか?」
「そうね〜、重いものを持ったわけでもないし・・・」
「何もしないから硬くなったんですよ」
「えっ?なんで?」
自分の体が日々変化していることに気付いていない証拠です。何か運動したら筋肉痛になるのは、誰でも経験済みです。
「筋肉が硬くなる=筋肉痛である」
これしか思わないのは、実は間違いなんです。確かにそういう場合はあります。また、肩こりなどのように、常に筋肉が硬くなっていることもあります。しかし、筋肉というのは、何もしなければ硬くなる性質があることを、今日はお伝えしたいです。
筋肉を使わないから硬くなる
まず、筋肉を使っていないという状況はどんなことか想像してください。運動しないこと、あるいは生活の中でも大きな負荷をかけていない、という感じが想像できますよね。
筋肉に負荷をかけない状態とは、筋肉を必要以上に動かしていない状態のことです。だから、できる範囲しか動かしていない、ということです。若いうちはそれでもすぐに問題になることはありません。しかし年と共に、それが大きな問題となってくるのです。
使わない筋肉は硬くなるだけではなく、萎縮していきます。
収縮とはちょっと違うんです。ここのところを勘違いしないでいただきたいと思います。
「筋肉の収縮」と言えば、力を入れた時に縮んだ状態のことをいいます。一方、「筋肉の萎縮」というのは、しぼんで縮んでいく様のことをいいます。筋肉が萎縮するというのは、老化、あるいは病気なのです。
この場合の「なんらかの原因」とは、なんらかの病気がほとんどですが、運動不足から廃用性へ進むこともあります。ここで「廃用性」という言葉が出てきました。この件については、また別な機会に紹介しますが、高齢者の「廃用症候群」という病気で入院される人が増えています。とくに新型コロナ発生以降、ずいぶん増えていると言われています。
とりあえず難しい言葉は置いといて、単純に知っている言葉に置き換えてみましょう。
歳取ると筋肉が落ちる。だから運動しよう。
とても単純でしょ?「大人になってから運動しなくなった」という人が多いです。そして、コロナ禍以降、歩くのが減ったという高齢者は、廃用性が高くなっています。そのままだったら歩けなくなりますよ。ということは、「寝たきりになる確率が高くなる」ということでもあります。それでもよろしければ、運動しなくてもいいんですよ。あなたの体です。あなたが管理してくださいね。