ラヴェルの小品~ラヴェルを弾いてみたい貴方へ~
ラヴェルの作品は難しいものが多く、演奏に挑むには中々ハードルが高い作曲家です。そこで、ピアノ中級者でも挑戦できるラヴェルの作品をピックアップしてみました。
1 メヌエット嬰ハ短調
1分にも満たない小さな小品です。技巧的な難しさは少ないですが、和声は複雑な部分があります。しかし、ラヴェルの他の作品と比べたら複雑さも抑えられています。個人的には初めて挑戦するラヴェルの曲にお勧めしたい1曲です。
2 ハイドンの名によるメヌエット
ハイドン没後100周年を記念して、パリの音楽雑誌の企画として作曲された曲です。2分ほどの小品で、ハイドン動機と呼ばれるモチーフを展開して作曲されています。7の和音、9の和音が多用され、途中で3段譜で書かれるほど和音が複雑な部分が現れるのが特徴です。
3 前奏曲イ短調
パリ音楽院のソルフェージュのために用意した小品です。1分少々の短い曲ですが、和声はかなり複雑で中間部の両手が交錯する部分は弾きにくいポイントです。イ短調とされていますが、ドリア旋法が使われ調性的にも曖昧です。
4 ボロディン風に/シャブリエ風に
両者とも1分半ほどの短い曲です。「ボロディン風に」はワルツで前半の情緒的な旋律と、中間~終盤は半音階が多用されています。「シャブリエ風に」はグノーのアリアに対するパラフレーズ(Paraphrase sur un air de Gounod)と書かれており、古典派風のメロディが特徴です。急な転調を何度か挟みながら曲の単調さを避けているところもこの曲の面白いところです。
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