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内部変換 一歩進んだ和声学 Part 37

今回は内部変換を紹介していきます。内部変換は和音の音度は一定のまま、その和音の構成音が他の構成音に移ることをいいます。例えばVの和音からV7の和音第1転回形に移る、Iの和音からIの和音第1転回形に移る、というような感じです。では詳しく見ていこうと思います。


1 内部変換

和音の音度が変わることを、和音交替といいます。
和音交替が起こる点を和音交替点、または交替点といいます。

先ほど述べた通り、和音の音度は一定のまま、その和音の構成音が他の構成音に移ること内部変換といいます。

内部変換のうち、
形体が変わることを形体変換
低音位が変わることを低音位変換

といいます。

形体変換と低音位変換は同時に行われることもあります。

内部変換が起こる点を内部変換点、または変換点といいます。
和音交替が行われない限り、1個の和音が継続しているものとみなされます。

内部変換によって生ずる個々の配置状態を、和音の状態といいます。
以下の例では2小節目では1個の和音の2個の状態、3小節目では1個の和音の3個の状態が含まれていることになります。

2 限定進行音の置き換え

とある和音の限定進行音をもともとあった声部から、他の声部へ移すことができます。とは言え、V諸和音以外の限定進行音は予備を必要とするものがほとんどなので、限定進行音の置き換えはV諸和音以外で行われることはほとんどありません。IV+6の和音や、IV+64の和音などは置き換えは可能ですが、あまり行われません。

限定進行音の置き換えをした際に、最後に限定進行音を担当した声部が和音交替をする際に限定進行を行います。

V9の和音根音省略形→〇V9の和音根音省略形の場合も第9音の置き換えが例外的に可能です。

置き換えにおいて
第7音が根音へ2度上行する
第9音が導音へ2度上行する

ことは禁止です。

内部変換以外でも、とある連結に関しては限定進行音の置き換えが許される場合があります。

II7の和音→vV7(9)の和音(根音省略形を含む)の連結に関しては第7音の置き換えが可能です。

V7(9)の和音(根音省略形を含む)→viV9の和音根音省略形の連結に関しては
前者の第7音→後者の第9音
前者の導音→後者の第5音

を置き換えとみなします。

3 内部変換に関する進行の許容事項

内部変換において、普段許されない進行も例外的に許されるようになります。

(i) 限定進行音への短7度進行

普段は7度進行は許されていませんが、V諸和音における内部変換において
下行限定進行音への短7度上行
上行限定進行音への短7度下行

が許されます。

(ii) 連続5度

V諸和音の内部変換において生ずる連続5度は、先行5度が減5度であれば、後続5度は完全5度でも許されます

(iii) 並達8度、並達5度

内部変換において生ずる並達8度、並達5度はどの声部においても許されます

4 終わりに

次回も内部変換の続きを紹介していきます。

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また作曲もしています。

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Ryo Sasaki
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