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IIIの和音、VIIの和音など 一歩進んだ和声学 Part 48
今回は今まで登場してこなかったIIIの和音、VIIの和音を中心に、これまで取り上げてこなかった和音を紹介していきます。
1 IIIの和音
IIIの和音は基本形と第1転回形を使います。
上3声の配置は他の3和音と同様です。
![](https://assets.st-note.com/img/1709478811594-Z9PC0wNtM6.png?width=1200)
IIIの和音はT和音に属する場合と、D和音に属する場合があります。
まずはT和音に属するIIIの和音の機能を見ていきます。
(i) T和音としてのIIIの和音
T和音としてのIIIの和音は基本形のみを使用し、後続和音はIVの和音、またはIIの和音第1転回形です。
上3声の最適配置は
IVの和音→第5音高位の密集配分
IIの和音第1転回形→根音高位の密集配分、または第3音高位の密集配分
となります。
後続和音の連結に際には、上3声のそれぞれの音は最も近い音へと下行します。
![](https://assets.st-note.com/img/1709478811594-iGqED3hNeq.png?width=1200)
先行和音がVの和音の場合、この和音の第3音は導音としての機能を持ちません。したがって、限定進行をすることがなく、そのまま保留、または他の構成音へと進みます。
![](https://assets.st-note.com/img/1709478811643-fFRSBAgZHG.png)
短調におけるV(7)の和音→IIIの和音の連結において、この際のV(7)の和音の第3音として、固有のVIIの音を使用することができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1709478883860-HIibECGtZc.png?width=1200)
(ii) D和音としてのIIIの和音
D和音としてのIIIの和音は基本形、第1転回形両者とも使用することができ、後続和音はVIの和音となります。
![](https://assets.st-note.com/img/1709478889588-QTAnSNRGp5.png)
2 VIIの和音
VIIの和音は基本形と第1転回形を使用します。D和音に属する和音で、後続和音はIIIの和音です。
![](https://assets.st-note.com/img/1709478898432-SgUKEIWQIT.png)
この和音は単独で用いられることはなく、今後紹介する反復進行というもので使用されます。
3 VIの和音第1転回形
これまでVIの和音は基本形のみを扱ってきましたが、第1転回形も使用することができます。上3声の配置は他の第1転回形の和音と同じように配置します。
![](https://assets.st-note.com/img/1709478908364-4SyqDua8kK.png)
VIの和音第1転回形はT和音に所属し、後続和音はIIの和音、またはII7の和音第3転回形です。
![](https://assets.st-note.com/img/1709478908410-vph12eq8qx.png?width=1200)
VIの和音基本形の話に変わりますが、VIの和音はIの和音第1転回形へと進むことができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1709478908391-yO750C7y15.png)
実際にVIの和音→Iの和音第1転回形の進行が使われている例を紹介します。
ピアノ経験者なら演奏した方も多いことでしょう。モーツァルトのソナタK545の第2楽章で使われています。
![](https://assets.st-note.com/img/1709128373577-kLXJv9OFRr.png?width=1200)
また彼の最後のオペラ『魔笛』の序曲の冒頭においてもこの進行が使用されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1709128381924-AimzGNxNKC.png?width=1200)
4 終わりに
次回は7の和音や変位和音において、まだ触れていないものを紹介していきます。7の和音はII7の和音、IV7の和音、V7の和音は既に紹介してきましたがそれ以外のものを取り扱います。
よければ他の記事もご覧ください。
また作曲、編成もしています。
合せてご覧いただけたら幸いです。
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