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演奏時の表情

演奏者や指揮者の演奏中の表情は何かと話題になりがちだが、皆さんはどのような考えを持っているでしょうか?

いわゆる「顔芸」と呼ばれてしまうものがあり、演奏中にすごい顔をして演奏している奏者の表情を見て、「顔芸」とどちらかというと悪い意味で使われてしまいます。これはアジア地域の演奏者にはよく見られます。様々な国の奏者が集まる機会であるコンクールにおいては、やはりアジア人の演奏者たちは顔の表情が豊かになりがちです。もちろん、アジア人以外の奏者も表情豊かな顔で演奏されている方もいますが、その数は多くはありません。

実際に演奏会に赴けば、そこまで奏者の表情は気になりませんが、今は収録のためにカメラが入っていることも多く、演奏者、指揮者の表情をカメラに抜かれることも今では当たり前になってきました。そこで、なぜ演奏者の「顔芸」に違和感を持つことがあるのか?個人的にはこのように考えています。

演奏中の表情と、その演奏者が表現したい音とが合っていないため違和感を覚える、というものです。悪く言えば、「君、そんな表情してるけど、出している音と合ってなくない?」ということです。一生懸命表情で何かを伝えようとしているけどそれが音として具現化されていない状態です。
その奏者なりの解釈を聴衆へと伝えようとしているつもりが、肝心な音にそれが乗っておらず、結果演奏中の表情と齟齬が生じてしまうわけです。内面にある「解釈」というエネルギーを音に乗せることができていない状態ですから、そういう方はまず解釈を音に乗せる勉強をした方がましだと思います。表情と表現したい音とが一致していれば多少は違和感を消すことができるのではないのかなと思います。

合唱においてもたまにすごい顔で歌っている方を見かけますが、まあ正直言いますとやりすぎです。意外とハーモニーは綺麗だったりしますが、音楽的な中身がスカスカな演奏が聞いていて多いなと思います。

表情と出している音との齟齬が少しずつ無くなっていけば、より良い音楽を作っていけるのではないのかなと思います。


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Ryo Sasaki
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