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準固有和音の配置と連結 一歩進んだ和声学 Part 19

今回は準固有和音を使った上3声の配置と連結についてを学びます。ここでは気を付けるべきこととして、対斜(たいしゃ)というものがでてきます。この対斜が準固有和音を使った連結において注意すべきものとなります。では
どのようなものなのか、早速見ていきましょう。

1 準固有和音の配置

準固有和音の配置については制限がありません。それぞれ密集、開離、Oct配分で配置します。

また〇V9の和音根音省略形は短調のV9の和音根音省略形と同じく、第9音の配置の制限はありません。

2 準固有和音の連結

準固有和音の連結において注意すべき点があります。
ここでは半音階的関係というワードがポイントになります。

半音階的関係とは、増1度の関係に置きうる2個の音のことをいいます。

和音の連結の際に和音の構成音のうちに半音階的関係をなす2音が含まれる場合は、それらを同一の声部で増1度関係に連結するというルールがあります。

半音階的関係をなす2音が異なる声部に置かれることを対斜といいます。対斜は基本的に許されません。

対斜が許される場面は
・後続和音が減7の和音である場合
・いずれか1個の声部が増1度進行をする場合

に限られます。

準固有和音は固有和音と同じく
〇IIの和音、〇II7の和音→S
〇IVの和音→S
〇V9の和音、〇V9の和音根音省略形→D
〇VIの和音→T

としての機能を持ちます。

もちろん準固有和音を用いる場合もカデンツを破らないように和音を連結すべき必要がありますが、ここで連結における制限があります。

・固有和音→準固有和音の連結
・準固有和音→準固有和音の連結

これらは無条件で許されます。

準固有和音→固有和音の連結に関しては
後続和音が
Iの和音
Vの和音、V7の和音
I2_V(7)の和音

のいずれかに限られます。

例えば〇IVの和音→IIの和音という連結は認められないということです。

準固有和音が上記の和音群に進まない場合は、準固有和音を使用し続けなければいけないということになります。

3 終わりに

準固有和音を使用する際に気を付けたいのが
半音階的関係をなす2音が異なる声部に置かれる対斜
・準固有和音→固有和音の連結は後続和音が
Iの和音
Vの和音、V7の和音
I2_V(7)の和音
に限られる

この2点に注意をしなくてはいけません。
この2つさえおさえておけば、準固有和音はマスターできるでしょう。
次回はセカンダリードミナント(V調のV和音群)についてを学びます。

よければ他の記事もご覧ください。

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Ryo Sasaki
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