ソプラノ課題 一歩進んだ和声学 Part 29
今回はソプラノ課題を学習します。これはあらかじめメロディが与えられ、それを基にアルト、テノール、バスを配置します。これらは下3声と呼ばれます。基本的にバス課題と行うことはそれほど違いはありませんが、バス課題と違う注意点があるようです。それを確認しながらどのようにソプラノ課題を行うのかを見ていきましょう。
1 ソプラノ課題におけるバスの注意点
ソプラノ課題において一番慎重になるべき部分がバスパートです。自然な旋律を生成できるように配慮する必要があります。それが以下の点です。
1 順次進行を多用し、跳躍進行は控えめにする
2 跳躍進行において6度上行、6度下行は良好である。ただし6度の進行をした次の進行では反対方向に進むのがよい
3 5度以上下行して第7音に到達すること、5度以上上行して導音に到達することは避ける
4 同じ方向へ2回続けて跳躍進行をした時に、7度、もしくは9度以上の複音程になることは避ける。ただし、終止によって異なるフレーズに分離されている場合はこの限りではない。
以上の点に注意しながら下3声を配置してみましょう。
2 例題1
まずは近親転調を含まないソプラノ課題で練習してみましょう。
1つ目の例題はこちらです。
調は変ロ短調(B♭マイナー)です。
現段階ではソプラノの旋律はすべてとある和音の構成音となっています。
最初の和音は主和音、つまりIの和音の基本形を置きます。
続いて終止形を確認します。
ではまずバスを設定してみましょう。
なるべく順次進行を多めにしてみました。ここでは1~2小節目と3~4小節目で似たような形のバスを設定しています。バスを設定したら内声を配置します。7の和音、9の和音を使える場合は使っても構いません。
完成したものがこちらです。
3 例題2
2つ目の例題です。
調はロ長調(Bメジャー)です。
では終止形を確認しましょう。
続いてバスを設定します。
内声を配置します。進行上、連続8度などの禁則をおかしてしまう場合はバスを変えて再び内声を配置し直してください。
出来上がったものがこちらです。
3 例題3
ここからは近親転調を含むソプラノ課題です。
離脱和音、転入和音、終止形を確認します。
バスを設定します。
内声を配置します。
いかがでしたか?
4 終わりに
ソプラノ課題も定期的に何度か登場する予定です。バス課題とともにできるようになりましょう。
さて、これで和声法第2段階終了です。ここまでご覧いただきましてありがとうございました。
第3段階ではより発展的な項目を扱います。
近親転調以外の転調、非和声音、IIIの和音、VIIの和音、反復進行、偶成和音などを取り扱います。引き続きよろしくお願いいたします。
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