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ヘパリーゼについて

我が飲み会の強い味方。それがヘパリーゼである。

「今日は荒れそうだなぁ」という酒宴の前には、必ずこっそりとヘパリーゼを飲んでから参戦する。この行為を「ドーピングをキメる」と表現している。

ドーピングと表現してるように、基本はヘパリーゼを飲んだことは周りには公言しない。一部の仲の良い先輩や後輩には、こっそり「今日キメてきましたわ」と明かすのだが、大っぴらに発信をしてしまったら、必要以上に飲まされそうなので、黙っておく。

ヘパリーゼの効果は本当に凄いと思う。ノンヘパリーゼの時よりも許容酒量がアップし、飲み過ぎても、粗相をすることも酷い二日酔いに悩まされることもない。攻撃力と防御力を2段階ずつくらい上げてくれる。

僕がドーピングに依存するようになったのは、3年前。新人の頃に遡る。配属からまだ数ヶ月で、 おどおどしながら仕事をしていた。そんな折、隣のチームの飲み会に、同じチームの先輩2人と一緒に参加した。

初めは緊張でガチガチだったのだが、酒が進むにつれて徐々にほぐれてきた。その飲み会には、僕より2回りくらい大きい若手随一の酒豪の先輩がいた。

そして、良いとこを見せたいという願望のまま、その先輩とメガハイボールを乾杯するという大役に買って出た。

僕の記憶はここで途切れる。ここからは後日談で、人伝てに聞いた話だ。その後、メガハイボールを4.5杯は空けたらしい。そして、自席に座った瞬間に笑いながら「粗相」をしていた。…らしい

隣に座ってた同じチームの女性の先輩が色々と処理してくれたらしい。本当に申し訳ない。   その後、店を出てから、同期と肩を組みながら楽しそうに商店街を闊歩していたそう。気づいた時には、頭痛を抱えながら自室のベッドに横たわっていた。

職場の皆さんは本当に寛容な方々だった。翌日、各所に謝罪と記憶のピースの回収に伺うと、 「いやー、一皮剥けた感じがして嬉しかったよ」「みんな通ってきた道だから気にすんなよ」など。温かい言葉で何事もなかったように受け入れてくれた。(ちなみに店は出禁になった)

その日以来「マーライオン」という酒席用のあだ名がつけられ、イジられキャラを確立されることになった。

同期なんかは、新人が入ってくる度に僕の紹介で「マーライオン事件」を話すらしく、様々な後輩から「今度マーライオン見せてください!」などとイジられる。元来からのイジられキャラなので、後輩も親しみを持ってくれる点で、すごくありがたいエピソードになった。

しかし、あの翌日の頭痛を抱えての出勤や、あぁ消えてしまいたいと思いながらの謝罪回りなどを思い起こすと、もう2度と同じ過ちを犯したくない。

その日から、僕のヘパリーゼ依存が始まった。

社会人として最低限の嗜みとして。

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