接店員態度について
昨日の記事で、デパートで良い接客を受けた話を書いた。接客態度と同時に接店員態度というのもあると思う。
スーパーで会計をしていた時。隣のレジでお爺さんが「フガフガッ」と店員さんに言葉を発していた。店員さんは聞き取れなかったみたいで、聞き直していた。
すると、お爺さんが「フ・ク・ロくれ!って言ってんだろっ」と怒鳴り出した。滑舌の悪さは一旦置いといて、そんなにキレることではない。
怒鳴った後も怒りが収まらないのか、ポイントカードを投げて出したり、悪態をつきまくっていた。(ポイントは律儀に貯めるのな)店員さんもたぶん男子大学生だろうが、アワアワしていた。
その爺さんが去った後、次のお客さん(好々爺)がこれでもかというくらい丁寧に「袋を1枚頂けますか」と声を掛けていた。たぶん、店員さんを気遣ってのことだろう。歳の頃は同じくらいだが、対象的な2人だった。
僕も接客バイトをしていたので、これと似たような事例を店員側で経験している。接店員態度の悪い客を引くたびに「コイツに物を売らないっていう権利はないかなぁ」と思ったりした。
偏見かもしれないが、経験上、接店員態度の悪い客には爺さんが多い。大体、ニット帽を被り、歯が少なく、ボロいベンチコートを着ている。一方で記憶に残るほど、接店員態度が良い人もお爺さんの割合が高い。先程の事例は、たまたま連続しただけで、別に珍しいことでもない。
両者に差が出るのは、歳の重ね方が違うからだろう。少し歪んだ人生の爺さんは、歳が積もりに積もりトゲトゲに。少し柔和な人生のお爺さんは、歳を重ねに重ねまん丸に。と言った具合に仕上がっていく。最早、顔を見ればどちらか大体分かる。
ここまで書いていて思い出したのだが、僕がよくランチで行く定食屋のお爺さん店員は、まん丸である。まぁ接客をする側なので、営業まん丸なのかもしれないが、可愛らしいくらいまん丸である。
入店するとまず「いらっしゃいませ!」と誰よりも大きな声で迎えてくれる。食券を渡すと、ニコニコしながら「大盛りにしましょうか!」と聞いてくれる。大盛り無料の店であるが、建前的な確認ではなく、若い人にたくさん食べて欲しいという優しさが滲み出ている。
ゆるくダイエット中であるが、そんな優しさに触れると「大盛りでお願いしゃす!」と答えてしまう。そして、厨房に大声でオーダーを伝える。頭にタオルを巻いているのだが、結び目がグチャグチャなのもkawaiiポイントが高い。
麺類を頼んだ時には、必ず紙エプロンを付けて持ってきてくれるし、先輩の「ご飯超少なめ」というレベルの高いオーダーにもピッタリの量で出してくれる。そして、退店するときは誰よりも大きな声で「ありがとうございました!」と言ってくれる。
たしかに、店員と客という大きな違いはあるが、スーパーのトゲトゲ爺さんと定食屋のまん丸お爺さんの差は凄い。片や周りの人に不快感を与え、片や周りの人を笑顔にする。
世のまん丸お爺さん達、長生きしろよ!