「好きが仕事に」そして経済圏は小さく多くなる
「好きなことしか仕事にできない時代が到来する」
この1年で何回か聞いたことがあるフレーズだが、自分の身近にも起き始めている。こちらの記事を読んでまさにそう感じた。
自社商品を好きな人を監督として採用
ネスレの代表が、海外に向けたショートムービーを配信した内容の記事。そのショートムービーを制作する監督の選定基準がおもしろい。
起用する映画監督には消費者の1人として、キットカットやネスカフェが好きかをまず尋ねるという。「食べたり飲んだりしたことがない監督には、仕事は頼まない」(高岡社長)。逆に好きだと言ってくれた監督には「あなたが思うブランドの価値を映画で表現してほしい。それだけをお願いしている」
監督選びの観点が、”キットカットやネスカフェが好きかということ”。むしろ食べたことない監督には仕事を頼まないというスタンス。
そして、このような選定理由をした背景は、売り手側のメッセージの説得力がなくなっているということ。
「我々作り手側が出すメッセージは説得力がなくなっている。ウチの商品はこんなにいいですよと、どんなメディアで伝えても効果がない」
経済圏は小さくなり、増えていく
今回は監督の採用というシチュエーションだったが、これを企業間取引として捉えてみるとどうなるか?
まず従来だと、実績・コスト・企画などの条件メインで取引する企業を決めることがほとんどだと思う。そうすると必然的に依頼される企業の集中がすすみ、そこに企業を軸とした大きな経済圏が生まれることになる。
一方、「好きかどうか基準」で取引企業を決めると、実績がそれほどない企業にもチャンスが生まれる。従来とは対照的に、依頼企業の分散が起こり、その商品が好きということで繋がった小さな経済圏が多く生まれることになる。
好きで繋がる外部プロジェクトの発足
そして、”好き”の主語は、法人ではなくもちろん個人に紐づく。そうすると、もはやその人が所属している会社のメンバーとやろうとするよりも、好き同士で繋がったメンバーでのプロジェクトになることが自然になってくる。
このようなことが起きてくると、「会社」「正社員」の定義や役割も再度見直す必要がでてくる。※下記記事も、このような事を考えるキッカケになります
まとめ
付き合う企業の基準が変わってくる世の中において、従来型の営業手法は徐々に通用しなくなってくるんだろうな......と思う。「営業」が古臭い言葉として認識される日も来るかもしれない。
今後は自分の好きなことを発信することはもちろんだと思うけど、その先にはどんなことが大事になってくるかも考えていきたい。
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