読書感想文的な32『星を掬う』町田 そのこ
本屋大賞ノミネート作品が発表されてから、よし!全部読むぞ~と意気込んでたけど、2022年のノミネート作品、まだ3冊目だった。
うきうきしながら発表を待っていた冬から、季節がすっかり変わってしまった。
読んでよかったけど、序盤から中盤はちょっとつらくなるくらい、不幸てんこ盛りだった。
わたしは家族がうまくいってないような物語を読むのが多分苦手だ。
とくに母子関係がうまくいってない話。共感できないからだと思う。
大好きを通り越して恨みになっちゃうの、きっと人間の心理としてあるんだと思う。
無償の愛をくれるはずだった親から、それを受け取らなかったら、きっとどこかが歪んでしまうこともあるんだろう。
頭ではわかる。
でも、なんか、それを言っちゃあおしまいだけども、思ったことあるなら言えよ、伝えたいことあるなら言葉にしなよって考えちゃうんだよなぁ。
関係性がめちゃくちゃの親子が「親子なんだからわかり合えるはず」みたいな夢見てんのも、いや分かり合えねぇよって思う。
言葉にしなくても伝わることも、確かにある。でもそれって、親子だからとかじゃなくて、そこまでの関係性を作り上げたからこその結果だから。
なんで全部ぶっ飛ばしたくせに、親子だから大丈夫だと思えるの?
積み上げた時間と、共有した思い出と、ぶつかったり、寄り添ったりした結果が言葉にしなくても伝わる(こともある)という奇跡だよ。
自分の人生で1番大切にすることってなんだろうって考えた。
自分が不幸になるか、相手を不幸にするか、とにかく一緒にいたらどちらかが、もしくはお互いに不幸になるような関係を、親子だからとか家族だからという理由だけで大切にするのって正しいんだろうか。
0か100か以外の選択肢があったら救われるのに。
家族になることと、家族でいることは、同じようで全然ちがう。
(アクトレス読んだなって思った方、大正解です。)
誰かに理解してもらいたいなら、向き合うしかない。
誰かを理解したいなら、受け入れるしかない。
でも、わたしたちは傷つけないと向き合えない人を受け入れる必要はない。
傷つける以外の向き合い方を、ちゃんと学ばないといけないんだろうな。
わたしの人生は最初から最後までわたしのものって、胸をはって言えるのかっこいいよね。
人生は当たり前に自分のものだけど、誰かのせいにしたり、他人に寄りかかったりしてる部分がある。助け合いとはちがうやつね。
自分の人生は自分だけのものだと思ったら、もっと楽しいことやらねば~って気分になる。
わたしを楽しませるのはわたし。
誰かに楽しませてもらおうと思って怠けたらだめなんだね。