砂上の紛い物

ああ。
と思わざるを得ない

手のひらの隙間から
こぼれ落ちる
砂のように
何も残らない

正論と理性に諭しても
建て直せるほどに
私は元気ではないのだ

ただ
そう、ただ

哀しく寂しい
否応なく温度が欲しい

だから
求めてしまうのだ

それが紛い物だと
知っていても
なお

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