「海月」

想イヲツヅル #46

8月15日


墓参りにいく

祖父は自分が産まれる前に

祖母は物心がついたくらいの時にゆっくり目を瞑った

”死”というものがなんなのかわからないまま

目を覚まさない祖母を目の当たりにして

涙が溢れたことを覚えている


病院の廊下で一人
声は出ないのに
しとしとと涙だけが出てきた


ところてんが好きだったよね
ばあちゃん

なんて思い返しながら


せっかくここまできたので


この時期に入るのは良くないらしいけれど

足だけ海につけてみる

潮の匂いと心地よい冷たさ


そのとき
足に痺れるような痛みが走った

いたた、、、


そうか
そうだね

まだまだそっちにはいかないから大丈夫
だよ


さて
今日はところてんでも買って帰ろうか

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