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撮ることを忘れてしまいそうになるけど好きな写真

自分が撮影するものにおいては「自然な写真」が好きです。
「自然」というのは「風景」的な意味ではなく(もちろん風景も好きですが)、「無意図的」の方ですね。
スナップだったり依頼のカップル・ファミリーフォトの合間の時間だったり。ポートレートもモデルさんに「そこにいて」とだけ言ってそのまま撮ることもあります。
自然な振る舞いの所作やいつも通りの行動の「飾らない美しさ」というものに惹かれています。おそらく。

そんな自然な写真の中でも今回お話しするのは「家族や友人と一緒に過ごしている時の写真」。最近は特に意識して撮るようにしています。
これらの写真を私は撮るのを忘れてしまいそうになることが多い。今でも時々忘れる。
「そんな場面(および写真)を本当に好きと思っているのか?」と言われても仕方がないのですが、好きを通り越して愛おしい写真だと本当に思っています。(なら意識せずとも撮れと自分でも思う)
こう思うのは過去に一度、心の底から自分を軽蔑し責めた経験があるからです。

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3年前に私は地元の香川県から静岡県に引っ越すことになりました。
引っ越し予定が4月だったため、3月にはたくさんの人と会う約束をし、家族と過ごす時間も作っていました。
ある時、1年間の慌ただしかった思い出を振り返ろうと思ってPCを開いて現像してきた写真を見返していました。

日々飽きもせずに撮り貯めた写真のデータがPC画面から押し寄せてくるのです。無駄撃ちしてるのが分かるくらい連写したり意味が分からない写真を撮ったりしていて、それでもまあ一生懸命撮ってたんだなぁと若干ほほえましくもありました。大体苦い顔してた気がするけど。
寄せては返す波のごとく、写真を見ては戻り、見てはまた戻りと、1年分の写真データを眺めていました。
そうしていると気が付くんですよね。スナップ以外の写真が極めて少ないことに。特に日々一緒に過ごしているはずの家族との写真は少なかった。

その場の時間を写真という形で残せるカメラを持っていながら、撮り貯めていたものがスナップや旅先の写真ばかりだったことへの愚かさと罪悪感が、一気に心に重くのしかかって動悸が激しくなったことを覚えています。
過去に戻ることができないという、至極当たり前なことに対して真っ当に後悔して泣いていました。
熱中してスナップを撮っていたことが悪いとは思わない。「なぜ一緒に同じくらい家族にもカメラを向けられなかったのか」という、自分の行動への恥を強く感じたものです。

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家族とは毎日一緒に居ることが当たり前だったので、「写真に残す」という感覚が特に欠如していました。いつ離れるとも別つとも分からないのにね。

そういう出来事があってからは事あるごとに家族や友人の記録写真を撮るようにしています。
ある時は気付いたらすぐにカメラに手を伸ばし、ある時は最初から「撮るぞ」と決めておくなど。今でも時々忘れる時もあるけれど、昔よりかはきちんと残しているなと思う。

「記録」としてカメラを使うことを心に据え置く。ブレてもいいしピント甘くてもいいし、画角にちゃんと収まってなくても水平垂直取れてなくてもいいんです。全部良い写真で全部好きだから。

ということで「(後からでも先にでも)絶対に好きになる写真を意識して残していきたい」という話でした。自分と同じ思いをする人が減ったらいいなと思って書きました、気付いた時には終わってるかもしれないから。

最後に年明けくらいから撮った家族や友人写真を載せておこうと思います。

私が香川を出てから数年会えていなかったフォトグラファーたち。声を掛けて会えてよかった。
Kouta Leiterノビ
10年ちょっとぶりに会った小学校の同級生。ブレても良い。
(暗過ぎてSS落とさざるをえなかった)
家族写真。妹。なんだそのポーズ。なんだその顔。
じいちゃん家の庭と離れ。ここもいつまでこの状態か、いつまであるかも分からない。
カメラでバトルしてる。こういう瞬間いいよね。
Koheiさん & うっちーさん
三重で友人結婚式前夜に酒飲み夜スナップをする森川
嫁と義妹。祖母の1周忌帰りにスーパーに買い物に行った時のこと。


<追記>
書いていて思い出したのですが、最近は日常で起こった些細なことも良いなと思ったらカメラ持ってきて撮るようにしています。些細なものほど記憶から抜け落ちていきますからね。

ポテチがあまりにも暴れん坊将軍だった時の写真。
割とキッチンで良いなと思う瞬間が訪れることが多い。
肉の色の違いが良いなと思って撮ったピーマンの肉詰め。焦げる前に急いで取ってきた。
帰省時。食べ終わったうどんの器。なぜ食べる前を撮らないのか。

こんだけ伝えといてアレですが、数年前の家族・友人写真を撮るだけ撮ってレタッチしてないのもかなりあるので、早くレタッチしてあげようと思います。許して。

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