内面的な魅力は中毒性が強い
何年ぶりの小説か思い出せないくらい久しぶりに本を読んだ。
どんどん物語に惹き込まれる感覚が、タイトルと内容とに沿っていて余計に興奮する感覚だった。
物語の結びが何度読み返してもどう捉えればいいのだろうと逡巡する。
私なりの解釈はこうだ。
初美が元気な頃に言っていた死に対する見解と餓死寸前の徳山が生命力について懐かしさを覚えている場面であり
初美と徳山の状況と思考が対をなしている。初美はこのまま死を迎え、徳山は生きながらえることを選ぶのではないだろうか。コンプレックスの塊である徳山は大きな決断の時にいつも怖気付いたり、すべきことを後回しにしたり何かと抜けているし、それが何より自分に甘い証拠だと感じる。
初美は徳山をある意味利用しながら、あわよくば心中できればいい、最終的に死を迎えたかったのだろう。それを達成できたであろう初美は満足だろう。
初美を失った徳山は以前にも増して当てのない人生を彷徨っていくのだ。
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