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11月13日(日)ツールドおきなわ市民210/19位

✴︎はじめに、開催にご尽力くださった大会関係者様、共に練習してくれた仲間たち、当日の遠征をご一緒してくださった本田夫妻、そして支えてくれた妻に心から感謝申し上げます。✴︎

3年ぶりのツールドおきなわ

3年ぶり開催のツールドおきなわに参戦。

前回は初参加で市民140kmに参加して、その時は28位でゴールしていた。だから"次は140で上位を!"と思いながらこの3年コツコツトレーニングをしてきていた。

ただ、心のどこかではトップクラスの選手が集まる210kmの世界を見てみたいという思いもあった。

そんな中でACTIVIKEの仲間の阿部さんから焚き付けられたのもあり笑、思いきって今年は210kmにエントリー。

ACTIVIKEのオンラインコーチングをやってくれているりゅーじさんも仲間に加わり、3人で励まし合いながら8月からおきなわを意識したトレーニングを行なってきた。

レースの目標

ホビーレーサーの甲子園と称される市民210は日本のアマチュアレーサーのトップが集まるカテゴリーなのである。

当然自分はそんな舞台で優勝を狙うような力は無いため、最大限上位で完走することを目標にしていた。

具体的には、リザルト1枚目(50位以内)完走。

努力目標として30位以内と設定した。

目標達成のためには、

・2回目のフンガワ(※1)では絶対にこぼれない

・学校坂(※2)でこぼれないように最大限頑張る。

・あとはもうなるようになれ笑

とにかく、"2回目のフンガワがゴール"くらいの気持ちで走ることにした。

※1 コース内で2回登る7kmの緩斜面の峠。

※2 2回目のフンガワに待ち受ける2kmほどのキツめの坂


レース展開

スタートは前列から

3年前の順位が反映されてか、なんとギリギリシードナンバーを与えられていたので前列でスタートすることができた。


©️Makoto Ayano @cyclowired.jp

周りには高岡さん、松木さん、井上さんを筆頭に超有名レーサーだらけで、正直この時点で場違い感にかなり気負けした。

ちなみに本降りの雨予報は良い方向に裏切られ、スタートのタイミングではほぼ降っていなかった。

7:27、向かう方向に見える青空に安堵しながらホビーレーサーの甲子園はスタートした。


序盤70kmの海岸線

ここで軽くコース説明。

全行程200kmのうち、序盤70kmは本島西海岸を北上しながら海岸線の平坦。そこを終えて東に進み1番長い登りのフンガワを超えます。

そこからまた北上して東下り基調のアップダウンの後、本島最北端の4kmほどの登り(奥の登り)を超えてからは西海岸線の平坦を南下。再びフンガワの麓に戻ります。

2回目のフンガワを超えたら東海岸を南下しながら延々と1〜2kmの登りを含むアップダウンを超え、最後に4kmほどの登り(羽地)を超えて名護に戻りゴールです。


なんせ距離が長いので、例年最初の70kmは少人数の逃げを容認しつつ集団で海岸サイクリングになることが多い…のだが、

今年は有力どころを含む逃げ集団ができかけたりとソワソワする展開が続いた。


©️Makoto Ayano @cyclowired.jp

落車リスク回避のためにも、前目キープしつつ後ろには下がりすぎない位置で、たまにローテに加わりつつこの区間を消化。

ニセコチャンピオンの石井さんを含む逃げができたところで集団は容認の構え。

一旦トイレタイムが生まれるなど集団は少し緩んで海岸線を気持ちよく走っていった。気持ち良いサイクリングペース。ずっとこのままがいいと思った。

途中でりゅーじさんに立ち回りや注視する人の動きなど共有してもらえたのはとても助かった。集団内にチームメイトがいるだけでも安心感が違う。感謝です。

ここぞとばかりに背中に入れていたハチミツパンとエネ餅2個をもぐもぐしつつACTIVIKEというメーカーのグランフォンドウォーターをゴクゴク飲んだ。


1回目のフンガワを超えて奥へ

いざフンガワ。といっても1回目はそんなに上がらないことが多いのであまり気構えずに突入。

それでも決して遅くないペースだったと思う。というか結構呼吸が弾んだので、調子が悪いのかと若干先行きに不安を覚えた…笑 とりあえずは位置を落とさず登坂終了。

雨の影響でウェットな下りも慎重にこなし、懸念だったペットボトル補給も問題なくこなして、北部への下り基調へ。
この区間はまさにサイクリングペース。周りの人と談笑もしつつでゆるい雰囲気で、やはりずっとこのままの感じで名護に帰りたいと思った。笑


奥の登り前の短い登りでトイレタイム。ここは自分も参加して用を足した。人数も多かったので問題なく集団復帰できた。

奥の登りに差し掛かるところは100kmカテゴリーのスタート地点でもある。オレンジジャージのタブちんを視認して、お互いを鼓舞しあえた。
(そしてタブちんは100km2位!悔しさもあるだようけど本当におめでとう)

奥の登りも淡々と消化して下りへ。

ここで高岡さんが抜け出して、一瞬ちょけたようなダンシングをした(違ったらごめんなさい)ように見えて集団の雰囲気が少し緩んだ。そしてその後にしっかりと踏み始めて、下りでじわじわ差が開いていった。

自分の力的にここで踏んでしまうと後半持たないし、追う人は追うだろうと思ってほどほどに降っていたけど有力どころは前に出てこず。

そうこうしているうちに差は広がり、前の石井さんや荒瀧さんの逃げに高岡さんがジョインするのが遠くに見えた。

この辺りで井上亮さんや高杉さんなどが出てきて追いかける構成になる。

自分はできればここは後ろに下がって2回目のフンガワに向けて温存したかったけれど、うまく下がれずにローテに中途半端に加わってしまう。(本当に追いたい人たちにとっては邪魔になってしまったなと…)

逃げとの差が広がりながら海岸線を南下し、いよいよ2回目のフンガワへ。

個人的鬼門!2回目のフンガワ

先頭で登りに入る。

最初は平坦に近いので無理に踏まず、少し番手を下げながら進んでドラフティングに入らように努めた。

じわじわペースが上がったところでゴチの長老や井上亮さんが前に出てきたので、5番手付近から下がらないように粘りのクライム開始。峠TTくらいのテンションでとにかく粘る。

呼吸はかなり早くなったけど、大丈夫。このペースなら落ち着いて呼吸すれば耐えられる。

それでも斜度が上がるところはグッと踏むことになるし、下りは縦に伸びるので少しずつつらくなった。

似たような景色が続くけど、ここを曲がれば…あと少し…と心の中で唱える。

りゅーじさんはしっかりと2番手付近をキープしてそうでさすがだと感じた。

頂上にかけて斜度は緩むので、ピーク手前に来た時にはホッとした。そのせいでちょい下りで遅れかけたけど、集中しなおして粘りKOM通過!

鬼門を超えてかなり安堵した。下りはフルウェットなのでとにかく慎重に前の人をしっかり視界にとらえながら下る。

そのさなか…右カーブでガードレールに突っ込むような落車が前方で発生。ここでりゅーじさんも巻き込まれてしまったらしい。

十分な間隔はあったので速度を殺して避けることができた。


©️Makoto Ayano @cyclowired.jp

ことさら慎重に下り、補給も無事終えていよいよ本番のアップダウン区間へ。


後半戦の東海岸アップダウン

無事にフンガワのダウンヒルを終えた。(最高速度は79km/hだった。)

この時点で集団は20人ほどだったらしい。

らしいというのは、自分はこの時30人くらいかと思ってたけどリザルトから察するに20人くらいだと判明したから。


間髪入れずに次の鬼門、学校坂へ。本格的な坂は5分程度で7%前後だが、その後も高江のアップダウン区間になるためトータルでは15分ほどになるかなりきつい区間。

例年はセレクションポイントだけど、今年は2分半先にいる高岡さんを追う展開だったため登りはペースで進んだ。これは自分にとって今回最大のラッキーで、ここでセレクションがかかったら間違いなく千切れて後方の集団を待つことになったと思う。

©️Makoto Ayano @cyclowired.jp

ペースでこなした後はアップダウンをローテしながら進んでいく。正直下がって休みたかったけどここでもうまく下がれずローテに参加することになったため、どんどん脚は削れていく。

©️Makoto Ayano @cyclowired.jp
©️Makoto Ayano @cyclowired.jp

徐々に右脚が攣り始めたけど、背中に忍ばせていたACTIVIKEというメーカーのスピードウォーターを投入したら軽減した。

かなりダメージを感じていたけど、ローテにも参加しながら海岸線の細かいアップダウンを南下していく。


すでに4時間以上経っていてかなり消耗していたけど、自分はなんとなくここから粘れるタイプな気がしている、

この辺から気持ちはハイに。もうなるようになれである。

周りには前回おきなわ2位、3位の松木さんと井上さん、ニセコチャンピオンの石井さん、乗鞍チャンピオンの中村さん、富士ヒルチャンピオンの長老と兼松さん、マスターズ日本チャンピオンのはこぶねさん、前年イエロージャージの池川さん、イナーメJPTの北野さんに高杉さんなど、ビッグリザルトを持つ猛者しかいない状況。

そんな中でローテを回している状況に戸惑いと興奮を覚えた。

なんでここで走れてるんだろう、と。

気を抜いたらすぐ千切れそうなくらい消耗していたけど、もうなるようになれ精神でとにかく遅れないように回していく。

©️Makoto Ayano @cyclowired.jp

高岡さんの逃げは強烈で、集団はあきらめムードに。皆それぞれ疲労の色が見えてきていたように思う。

そしてここから2位争いに転じる雰囲気になっていく。


又吉、慶佐次の登りとペースの変化が生まれ始める。楽ではないが、耐えられる強度だったので番手を落とさぬようにダンシングで凌いだ。

そしていよいよアルメの登りに。

試走の時から、ここはかなりきついセレクションポイントになると思っていた。

4分と3分の登りの二段構えでかなりきつい区間なのだ。


ここを超えられたらかなり良いリザルトが期待できるのだが、もう気持ち的にもかなり弱気になってきていた。(この局面での目標設定が曖昧で腹を括れていなかったなぁと反省)

そして極め付け。この前に補給で黒糖わらびを投入したが…もう体は限界だったのか、腹に違和感を覚えた。

そして180km地点のアルメの1段目…2/3くらいまで粘ったが急に踏めなくなり…ちぎれました。


©️Makoto Ayano @cyclowired.jp

もう少しついていきたかったけど、限界でした。

後ろからオーベストの西谷さんがきたので、西谷コンビでローテ開始。

チェーン落ちで遅れていた井上さんには、ついて行く気にもならない速度で抜かれた。

このあと石井さんもアルメ2段目で合流して、ゴールまで3人でサイクリングすることに。


登りは4倍がやっとな状態で辛かったけど、人がいるだけでだいぶ気楽である。

カヌチャリゾートも超えて、あとは羽地のみ。正直足をつかずに登り切れるかという状態だった。

西谷さんはあとで聞くとここでパンクで遅れたらしい。

結局麓まで石井さんと2人で回して、いよいよ羽地の登坂。

石井さんはゆっくり登りますと言っていたけど、そのペースにもついていけず、200wでひいひい言いながら登った。沿道の応援が本当に有り難かった。

後ろの集団は振り返っても見えなかったのでこの順位は守れそうだと安堵。ゆっくり安全にダウンヒルをして、名護へ帰還することができた。

©️Makoto Ayano @cyclowired.jp

(ちなみに15秒後に第二集団がきていたようで、実際にはぎりぎりだった。笑)


レースを終えて

30位には入れたぞ!と思ってゴールした後に長老と落ち合い談笑。

そこで19位と知り、信じられないながらもとにかく嬉しい気持ちになった。

当然ながら他のカテゴリー(特に140kmは猛者揃い)も含めて自分よりずっと強い人はたくさんいる。今回の順位は特に展開が味方したのも大きい。だから自分が強いとは全く思わない。

けど、この大舞台で20位以内でフィニッシュできたことは自分にとって大きな自信になった。長距離ラインレースは適性があるのかもしれない。

来年はもう一段上の戦いをしに来ると今心に決めた。そのためにもっと地脚を鍛えて、立ち回りも見直していきたい。

自分はもっともっと強くなれる。















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