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コンサルをやってよかったこと悪かったこと。若い頃は地獄を見ることをおすすめするちょっと偏った話。

今現在父の牛乳屋を継いで8年目。元々コンサルティング会社に勤めていた訳ですが、実際に事業運営するにあたってコンサルをやっていてよかったこと悪かったことを書き連ねたい。

よかったこと①:問題解決能力

コンサル時代に徹底的に叩き込まれたのが問題解決能力。これはとても役に立つ。目指すべきゴールに対して、今の現状を見て、何が課題か。シンプルなフレームワークから問題の本質を論理的に解決する。
嫌というほど毎日詰められながらやり続けた結果、当たり前のように問題解決思考が根付き、どんな問題でも対処できる自信にもなった。
特に前職時代では、コンサルのTop of Topのマッキンゼー出身のメンバーがいたので、プロジェクトをやる傍らそばについて色々作業を手伝わさせてもらった。(もちろん評価の対象外。)

一般的なビジネスのフレームワーク(PEST,3C,4P,SWOT・・・)なんて物は実はあまり使い物にならず、たったひとつのフレームワークでほとんど解決できる。

【目標・現状・課題】
これはめちゃくちゃ便利。実はコミュニケーションや問題解決で殆どの場合、目標=ゴール設定がズレているから全ての解決策もズレるということをほとんどの人が知らないことが多い。もしくは知っているが設定できないことが多いと思う。超簡単な例でいうと、「Aさんの営業力を高めたい」というテーマを部長と課長で話していた時に、いきなり「研修をしよう」とか解決策を論じている時点で、その会議はほぼ意味無しになる。大概この手の話は目標設定が異なっている事が多い。

部長は「会社の中でトップクラスの営業力=1ヶ月で10件の新規クライアント受注」と考えていて、課長は「まずは平均値の営業力=1ヶ月で3軒の新規クライアント受注」というように、そもそもどこまでを目指すか=目標設定が異なると、今の現状が悪いのかどうか、目標達成のための解決策も全然違うものになる。

すごいシンプルだけど、何をするにしても「そもそもこれは何を目指すのか」を定量的、定性的に定義すること。めっちゃシンプルですが大事ということを徹底的に叩き込まれた。これは役に立った。あとは論点設定とかありますが、それは別のNOTEで書き連ねたいと思います。

よかったこと②:どこでもやれるという自負

これは良し悪しありますが、そもそもコンサルティング会社で働くコンサルタントは専門領域はありなん、どの業界のどの課題解決でもやるわけです。そんな私も入社したての際は、イスラエルの会社と日本の合弁会社の案件からスタートして、大手通信キャリア、OA機器製造メーカー、グローバルの繊維会社、化粧品メーカー、など全く異なる業界、業種の案件に入ってました。プロジェクトの案件に入る3日前くらいに「この業界の課題の仮説をまとめておいて」などはざらで、全く知識がない状態から業界に詳しく、課題の仮説までを持つようにしなくてはならないわけです。それを繰り返し続けるともはや「どんなもんでもこいや」状態に入ってある種天狗になる訳ですが笑、ビビらなくなるわけです。これがイチ牛乳屋さんに入るとメーカーの偉い人との打ち合わせ、銀行との打ち合わせであろうと、何でもこい状態で望める、こういうマインドセットが身についたのはよかったこと。

悪かったこと①:結果を出すための行動力が削がれる

よかったことで書いてある表裏一体的な話になるが、課題に対して比較検討し問題解決の見通しを出してから動こうとするのでまあ行動力が削がれている状態で牛乳屋さんに入りました。とんでもない数のエクセルとパワポを創り、現状の課題を整理して、打ち手を整理して・・・と言っているうちに①ヶ月経つとかはザラ笑。今はないですが、8年前は動きもせず資料作りすることが行動することだと勘違いをしていたわけです。

コンサルってのは虚業、とどっかのYoutuberが言っていましたがある種的を射る表現だなと。コンサルティング会社時代はその案件が成功しようがしなかろうが、お客様から超高額な報酬をもらうわけです。つまり入った人員こ工数に対して企業から収益を得る。クライアントから怒られようと成果がでなかろうと、結果入った人員の工数分はお金頂戴ね、これが当時のビジネスモデルでした。これが染み付くと超大変。社長になると何で評価されるかというと全ては実績のみ。つまり何をしようと実績が出ているかどうか、で全てが問われる一方で、コンサルの働き方になっていると「検討すること」に価値があると勘違いしてしまうわけです。行動の概念が全く違う。これが実業との差と言えるでしょう。

悪かったこと②:「話が合う人がいないわぁ」と調子に乗って思い込み勝手に絶望する。

これはコンサル出身の人は多いかもですね。コンサル頭で話すと「論点=いま解決すべきこと」を重要視していて、論点からズレることをすごい嫌がります。また、論理的に構造化して話したがることもあり、突飛なことを嫌う癖もあります。その結果、「話し方が整理されて話されていない」「話すべきレイヤー(層)が違う」など宣うわけです笑。

たしかに8年前は常にイライラしてました。自分と他の人間はレベルが違うと常に思っていましたし、それは外部の方(メーカーやその他関連する企業)に対しても思っていましたね。今思うとレベルが違おうとなんだろうと、きちんと前に進め、生産的に成果を出せればそれでいいわけです。
ただ、なぞに考え方違うとか、難癖つけて無駄なことで自分自信絶望していた、そんないらんマインドセットで苦しんでいたのかもしれません。

最後に(地獄を見ることのおすすめ)

総じて前職がコンサルであったことは本当によかったと思います。もっというとコンサルである前に、自ら手を上げて地獄を見ておいてよかったと思います。

仕事が24時近くにおわって、明日の朝までにこれやっといてと24時に振られるというのが3ヶ月続いた日々、たった一つの文章について飲み会中に外に出て電話して3時間くらい詰められ続けて終電を逃した日々、取締役勢揃いの前でたった独りでプレゼンして手汗脇汗状態で2時間ミーティングを回した日々。

実はどれもこれも自分で選択してやらせて下さいの精神で全てやっていました。20代、30代前半ではまだまだ何も失うことはなくチャレンジしないこと=やろうとしないことで逃してしまうことが多数あります。大概の人は恥ずかしいとか言ったりしてチャレンジせずに、その場をなんとなく過ごしてしまうでしょう。

大部分の若い人がホワイト化だ!ワークライフバランスの実現だ!FIREの実現だ!とか色々言ってます。それはそれで否定はしませんし、良いことだとは思います。ただ、後で「自分の実力のなさに後悔をしないように」と伝えたい。大概そういう人に限って後々環境のせいにして、他責にします。

私達が考えるべきは資本主義社会で生きているということ。この社会で勝ち抜くためには、己の能力をどう最大化できるか、を考えひたむきに仕事をする、打ち込む時期があってもいいのでは、と思います。

ただいまの牛乳屋さんはブラックではないのでそこは補足しておきます笑
またお会いしましょう。

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