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「10年目のコピーライターが受験生に伝えたかったこと」


はじめまして。中川リョウ(@ryonotrio)です。
1988年生まれで、
広告代理店でコピーライター・PRアーキテクトという仕事をしています。

先日、15年前に通っていた学習塾で
高校生に向けてお話をする機会をいただいたきました。


恥をかける人

お話ししたテーマは「恥をかける人」です。

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僕自身社内転職を何度も経験し、
30歳を目前に営業職からクリエーティブ職への転向をしました。
その後シンガポールやシドニーなど海外への出向も経験するなかで、
「自分の可能性を一番邪魔する感情が”恥”だ」と思うようになりました。
人生100年時代と言われる現代。
仕事はどんどんマルチキャリアに。
自分の領域は自分で拡張していかなければなりません。

いま高校生の彼らは僕たちの世代以上に
これから様々な新しいことへのチャレンジが必要になる
と思います。
そしてそのチャレンジをするうえで、乗り越えるべき壁が「恥」という感情です。

恥をかけない人は、これからきっと淘汰されてしまいます。


高校生に話したかったこと

15歳も離れている高校生に何を話したらいいか、正直悩みました。

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そこで、高校生だった頃の自分に、今の自分がアドバイスするとしたら
何を言ってあげたいかという視点で考えることにしました。

僕の身の上話や仕事の話よりも、
もっと彼らの気持ちが前向きになるような。
「こいつでも出来るなら、私にも出来るかも」と思ってもらえるような。

思い出してみると、
AO入試を受ける受験生だった自分の悩みは主にこの3つでした。

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悩み1:やりたいことが見つからない

「将来やりたいことは何ですか?」
これはAO入試を受ける受験生だけでなく、
就活生もたくさん聞かれる質問だと思います。

僕も当時、聞かれて困りました。
そんな簡単にやりたいことなんて見つからないですよ。

では、
やりたいことが見つからないのは、何ででしょうか?

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僕はやりたいことが見つからないのは、まだ知らないからだと思います。

学校行って、部活して、バイト行って、デートして。
狭いコミュニティで、狭い人間関係のなかで生活しているのだから
知らないのはしょうがありません。

そしてそれを解決する方法はただひとつ、
足を運ぶということだと思います。

自分のオリジナルなやりたいことなんて
最初は無くてもいいと僕は思います。
やりたいことは、そのうち見つかります。

そして足を運ぶうえで大切なのは、

興味をもつこと。
素直になること。
そして、吸収しようとすること。

まだ知らないことは、知らないって言っていい。
まだ分からないことは、分からないって言っていい。

新しいことを知ることは、
恥ずかしいことじゃない。

分からないことを、
分かるようになることは恥ずかしいことじゃない。

あなたの可能性を奪うのは
あなたの恥ずかしいという感情です。

(自分にも言い聞かせてます)


悩み2:強みが見つからない

「あなたの強みは何ですか?」
これもよく聞かれます。

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僕は
強みは「見つかる」ものではなく、強みは「つくる」もの。
なんだと思います。

筋トレをする人が、
「今日は腕の日」とか「今日は胸の日」とか言うように
意識して鍛えて強くしていくことが大事なんだと思います。

「じゃあ、私はどこを鍛えたらいいの?」

そんな声が聞こえてきそうです。
どこを「強み」として鍛えたらいいか分からない人は、
自分の「弱み」や「コンプレックス」に目を向けてみる
新しい発見があったりします。

その「弱み」や「コンプレックス」と思っていたことが
他人からすると意外と魅力的に見えたりします。

僕の場合、入社して7年目の終わりに
ようやく入社前から志望していたクリエーティブの部署に異動になりました。

自分がどんどん遠回りしている間に、
同期や後輩がどんどんクリエーターとして活躍している。
世の中で、どんどん面白い企画が生まれている。
7年間の間に、家で涙したことは数知れず。
周りの活躍を見たくなくて、友人のSNSをブロックしていた時期もありました。
(今思うと、狭い狭い業界の話なのですが)

でも、振り返ると、
違う部署で身につけた「筋肉」が今の自分を助けてくれたり、
その「筋肉」を周りが持っていなかったことで得したり。
ということが少しずつ起こり始めます。

僕は、
コンプレックスがあることは、ひとつの才能だと思います。
コンプレックスは、強力なガソリンです。
コンプレックスのある人は、長持ちします。(たぶん)

いま名乗っている「PRアーキテクト」という肩書きは

自分で勝手につくった肩書きです。
アーキテクトは建築家や大工という意味で、
PRキャンペーンの企画・設計から制作までを担当しています。
少し遅めにクリエーティブ局に移った僕は、
PRという皆とは別の「筋肉」に旗を立てることにしました。

でもそれって、恥ずかしいですよね。
「あいつコピー書けないからPRに逃げてるんじゃないか」
「あの人PR会社の人でもないのに、PRの専門家ぶるなよ」
って思われるんじゃないかって。

あなたの可能性を奪うのは
あなたの恥ずかしいという感情です。

(と思い込むことも大事です)

悩み3:頑張れない

当たり前ですけど、頑張るのって大変ですよね。

僕は、「頑張る」のをやめよう。と思っています。
頑張ると、毎回精神的なカロリーを結構使います。
そしてカロリーっていつか尽きる。
つまり頑張り続けることって相当ツラいわけです。

僕は頑張らなくてもいい方法を編み出しました。
それが、マイルールをつくる。という方法です。

ちなみに僕のマイルールは現状2つあります。
1迷ったら、恥ずかしいか、めんどくさい方を選ぶ。
2その場にいるなら、ちゃんと参加する。
 (一番前の真ん中に座る、必ず質問する)

このマイルールに基づいて、行動を決めていきます。
そうすると、決断するときに迷わないで済みます。
毎回状況に応じて、悩まなくて済みます。


ルール1:迷ったら、恥ずかしいか、めんどくさい方を選ぶ。

たとえば全然知らない人ばかりの食事会に誘わた時、悩みますよね。
全く知らない人に囲まれるのは、ストレスがかかります。
場所もちょっと駅から遠かったりして。
これタクシーなの?歩きなの?みたいな。
完全に迷う。もう、後ろ向きに迷う。

こういうとき僕は、1つ目のマイルールがあるので行きます。
**行かずに後悔することはあっても、
行って後悔したことって不思議とありません。
**

ルール2:その場にいるなら、ちゃんと参加する。

 (一番前の真ん中に座る / 必ず発言・質問する)
これはめちゃくちゃ簡単にできるルールです。
せっかく自分の時間を使ってるんだから、
大人数の会議やセミナーで一番後ろに座って、何も言わずに帰るほど無駄な時間とお金の使い方はありません。

恥ずかしいですよ。
前に行くのも、質問するのも。

目立ちたがり屋だと思われるんじゃないか。
馬鹿な質問してる奴だと思われるんじゃないか。
頭の悪い奴だと思われるんじゃないか。

色んな「恥」が頭をよぎります。
そんなときにオススメなのが、一番前に座ることなんです。
一番前に座ると、他の参加者たちが自分の視界に入らないので
会議なら議長、セミナーなら登壇者との対話という意識が強くなります。
後ろから質問して、前の人がみんな後ろ向いてくると緊張しますよね。

僕は英語ネイティブでもないですが、
英語でのセミナーでもなんでも一番前に座ります。
で、たどたどしい英語でも質問します。
疑問や質問が一個もない話なんてないですから。


最後にかいた恥

長くなりましたが、
「恥をかける人」というテーマでお話をさせてもらいました。

塾での講義当日。
最後にホールに集められた高校生たちに運営の方から
「誰か最後に、本日の講師にメッセージを言いたい人いますか?」
という素晴らしいフリ
がありました。

こんな素晴らしいチャンスはない。
恥をかける人になろうと、約束したばかりじゃないか。
「リョウさんの話を聞いて勇気を出して手を挙げました」とでも言ってくれようもんなら、今日は鰻を食べて帰ろう。

そう思って、150人ほどいた高校生の方を見ました。

話を聞いてくれていた人のなかで、
手を挙げてくれた人は一人もいませんでした。

めちゃくちゃ期待してしまっていた僕が、
一番恥ずかしい気持ちになりました。

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