同人誌印刷所のスタッフが印刷・製本機器の大型展示会「IGAS2022」に行ってきました
11/24~28に東京ビッグサイトで行われた「IGAS2022」に行ってきました!
(「アイガス」と読みます。)
聞き慣れない方も多いかもしれませんが、
印刷・製本会社にとって非常に重要な展示会です!
ここで得た知見や最新技術が、同人誌の制作・特殊装丁の
ご提案にも繋がります。
この記事では、会場のようすをお伝えします♪
◆「IGAS2022」会場のようす
「IGAS」とは、印刷に関するさまざまな最新テクノロジーが
世界中から集まる、世界4大印刷機材展のひとつです。
通常、3年に1回ペースで開催されるものですが、今回は4年ぶりの開催となります。
会場は、同人イベントでもお馴染みの東京ビッグサイト。
東展示棟の1~3,5,6ホールを使用する、とても規模の大きい展示です!
会場内では、機械の展示の他に、印刷などに関わるゲストを迎えたディスカッションや、最新トレンドを体感できるツアーが開催されます。
新しいビジネスを提案する展示ブースや、装幀(そうてい)コンテスト受賞作品が並ぶようすは見どころ盛りだくさんです。
特に、巨大な印刷機・製本機など、普段はお目にかかれない機械がその場で実際に動いているのを見られるのは圧巻です!
その他、同人誌でもおなじみの加工「箔押し」の材料となる箔材をお取り扱いの会社様や、つくってみたくなるオリジナルグッズをお取り扱いの会社様も出展されていました。
印刷業界にお勤めの方はもちろん、デザイナーさんや、個人で創作活動を行っている方も楽しめますね♪
↓お写真の撮影・掲載許可をいただきました。ありがとうございます!
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* ニヨド印刷株式会社様 *
環境に配慮した紙ファイルは、素朴な温かみがあって可愛い!
「One Planet Paper(バナナペーパー)」「Kome-kami(コメカミ)」など
珍しい素材の紙ファイルがありました。
間伐材を利用した表紙のリングノートやリングメモ。
レーザー加工やUVインクジェット印刷で表紙を彩ります!
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箔押しは本の表紙だけでなく、さまざまなパッケージにも使用されています!
キラキラと目を引く箔材が展示されていました。
スタンダードな金・銀箔や、高級感のある艶消しタイプの箔が人気とのこと。
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また、Youtubeの「IGAS LIVE TV」でもIGAS2022が楽しめます。
開会式のようすや、展示内容の紹介など
ぜひ会場の雰囲気を体験してみてください!
◆緑陽社の「小口印刷」冊子が展示されました
東6-14ブースでは、緑陽社にて印刷させていただいた「小口印刷」の冊子が展示されました。
「小口(こぐち)」とは、本の開く側のこと。
通常は印刷を行わない小口に綺麗に印刷を行うためには、印刷技術はもちろんのこと、本の厚みの緻密な計算や寸分違わぬ断裁技術が必要になります。
本の小口側(開く側)への印刷は、緑陽社でもはじまったばかりの試みです!
ずらりと横並びになった本に、途切れることなく絵柄が印刷されたようすはとても印象的でした!
◆豪華装丁が並ぶ造本装幀コンクール
同じく東6の「JPEXブース」では、カレンダー、造本装幀、パッケージなどさまざまな形状の印刷物各種を対象としたコンテストによって選出された作品が展示されていました。
入賞作品はドイツで開催される世界的な装幀コンクールに日本代表として出展されるとのこと!
特に、入賞作品の中に「コデックス装」の作品が多かったのが印象的です。
「コデックス装」とは、本の背の部分に表紙がなく、糸で綴じられた本文がそのまま見える特殊製本です。
同人誌でよく見かける「無線綴じ」の冊子は背の部分は糊で固められていますが、「コデックス装」は本文を糸でかがっています。
背が柔軟に開くため、イラスト集・図録など、本文をめいっぱい開いて見せたい本にピッタリです!
その他には、ブックケース入りの本、寸足らずカバーの本、表紙にニス加工のある本など、さまざまな特殊装丁の本が展示されていました。
▼こちらの動画で一部紹介されています!
https://www.youtube.com/watch?v=KLADk0-MzHE
◆おわりに
デザイナー様や出版社様、そして同人作家様の創作アイディアを印刷物として再現するためには印刷・製本会社の技術が不可欠となります。
技術は日々進歩し続けていくため、今回の「IGAS2022」のような場で最新情報をキャッチすることは、印刷・製本会社にとって非常に重要です。
「IGAS2022」の期間中、緑陽社からも多くのスタッフが会場に向かいました。
ここで得た知識、技術を、同人誌の製造や各種フェアに反映して行きたいと思います!