
和道は、現実世界で身を起こし、生かされ、繁栄するための底力を養う原理
和道は単なる是非論・理想論ではない
是非論・理想論とは
非現実的だという指摘に対し「だって、そうすべきじゃないか」としか回答不可
つまり、結果を求めて方法を示せなかったり
ある方法を押し付けるが結果に責任を持たなかったりする
数多くの、<おねだり>的な平和運動はその例
和道は、現実世界で身を起こし、生かされ、繁栄するための底力を養う原理
外的環境が覇道的な世界でも、和道的対処は優秀な効力を持つ
和合工学の「和略」は<戦わずして勝つ>という最上の戦略(覇略)に勝る経済性をもつことができる
最も困難な創業期や建国期、破綻した財政や秩序の再建の場面で登場し、成果を挙げるのが、決まったように和道的な指導者や経営者
和道の高度な現実対応力を伺える
和道は浅薄な平和主義のすすめではない
浅薄な平和主義の例
多数主義
平和を唱える頭数が増えれば戦争はなくせるちおう考え
不戦主義
和睦のみを選択肢として解決しようとする考え
暴力反対主義
とにかく暴力はいけないとする考え
丸腰主義
進んで武器を捨てれば、きっと相手も武力に訴えないという考え
和道
「和力」という一種の実力を講師する
和をつくるための諸々の能力や資源力
いわゆる武力・戦力とは別の「力」の概念
和道と武力行使
根本的には非武装主義と関係ない
武力・破壊力による強制を用いるか否かは和道の本質と別問題
血迷って非道なことをする者を慈悲で懲らしめるのは和道精神に反しない
状況判断によって、最善であることが確認された選択肢は迷わず採用すべき
その時代の世間の分類上、何に属しようと
問題はなんのために最善であるか
理念が普遍的であること
全人類的、宇宙的な価値観
決して、利己的・保身的であってはならない
和道は安直な武装主義にくみするものではない
浅薄な武装主義
修羅場前提主義
「もし侵害されたら」から出発し、防衛即正義とする考え
戦力要件主義
意図実現のための通常の選択肢として揃えておくべきだという考え
覇権主義
征服支配の願望を達成する手段として必要とする考え
「力(武力)」は和道の根本に関わらない
また、肯定するのは「和力」で「無力」ではない
和道は相互依存のすすめとも異なる
和道は互恵共栄を行動原則とする
互恵関係は相互依存に近い関係を含むが、中心的ではない
人為的相互依存は、簡単に困らせあう関係に転化しかねない
和道は互いに自立しつつ役立ち合い大事にし合う関係の構築を主に考える
和道は特定の思想家の所説ではない
和道は日本文化の貴重なる果実といえる
ある思想家に一派を形成するのではない
日本の宝、世界の宝とすべき和の文化に回帰する
「この世は競争だ」という<常識>に、敢然と立ち向かえるだけの実践力を備えた、日本精神の継承者は、すべて和道の担い手
出典:「和の実学」著者:大和信春 出版:博進堂 はる研究院